戸定の昆虫 2023-3 (7~9月)July to September, 2023


  このところどうも忙しく・・・更新できていませんでしたが,ようやくページを新しくしました。

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  914日(木)
  夏に見られなかったヒロヘリアオイラガ,ようやく先週アメリカフウ上で見つけました。農薬の
  試験も終えて残った個体を観察したら,一部は終齢になっていました。
  
  よく見ると美しい形態をしていますが,うっかり触れてしまい・・・左手薬指がヒリヒリしています(笑)

  913日(水)
   ようやく体調が戻ってきたので,写真撮りに出かけてみました。
  
  このところのマイブーム,カトリヤンマです。 ヤンマは大きいので見栄えがしますね。この日は
 多くのペアを目撃しましたが,これまでよりも周りのオスの干渉が強く,ペアは逃げてしまって撮影は
 このペアしかできず・・・残念でした。
  
   オスも多く見られましたが,この個体は長い時間止まっていたので撮影・・・右の後翅にはクモの巣
 らしい糸が絡んでいます。林内はクモの巣だらけなので引っかかるんですかね・・・ ヤンマの中には
 クモの巣に飛び込んでクモを捕食するネアカヨシヤンマのような種もいますが,カトリヤンマはクモを
 捕食しないと思いました・・・
  水辺から少し離れている林内ですが, アカネトンボもいました。
  
  リスアカネです。 午前中から姿を見るので交尾とかはどうしているんだろうと思っていましたが・・・
  
  そしたら交尾個体がいました。こういう水辺から離れたところでも交尾していることが分かりましたが
 残念ながら,枝や枯れ葉が交尾個体を隠しているので,反対側から撮影しようと・・・驚かさないように
 匍匐前進して進んだものの・・・すぐ下に怪しい行動をする動物(私)がいるので・・・当然逃げてしまい,
 ・・・ 残念でした(笑)
  水辺に行ってみると・・・
  
  ハグロトンボが交尾していたので,はじめて撮影できましたが,少し逆光で体の色とかがはっきり
 しなくて残念・・・またの機会を狙います。
  水辺に目を向けると・・・
  
  先日交尾を撮影したアジアイトトンボが何頭も産卵中でした。せっかくなので水面までカメラを
  下ろして 撮影・・・
  
  この個体は翅を広げて産卵しています。オスが近寄ったり,シオカラトンボが近くを飛び回るので
 警戒しているように見えました。
  
  特にシオカラトンボは,移動のために飛ぶアジアイトトンボを襲う場面も見られました。 産卵も
 命がけですね・・・水面に浮かぶ葉が青色になっていて不思議な雰囲気になりました。

   また林内に行くと・・・そろそろ成熟しはじめるアオイトトンボ科の2種がいました。
  
  そろそろ産卵していてもおかしくないアオイトトンボですが,暑いからかまだ林内にいたので
 交尾や産卵はもう少し先かもしれません。   
  
  10月以降にならないと交尾や産卵はしないと思いますが,オオアオイトトンボも林内にいました。
  
  メスも見られました。秋にはどこで産卵しているのか興味があります・・・
  この他に林内はホソミオツネントンボやホソミイトトンボの越冬2種もいて、結構賑やかです。
 冬季に来ても越冬個体を見つけられるような気もします。   

  912日(火)
   写真は撮っているのですが,その写真を加工する時間や文章を書く時間がなく・・・でも少しは
  出さないと・・・
   前日撮影した時に忘れ物をしてしまい,翌日も朝に出かけましたが,忘れ物は池の端にありました!
  少し安心して撮影も・・・
  
  池の畔にいたベニイトトンボのオス。まだ朝早かったのでほとんど活動していませんでした。
  
  そのためにメスもゆったりしていました。

  朝から活動している種類といえば ・・・
  
  朝から昼近くまでと交尾時間が長いアオモンイトトンボです。このメスはまだ色合いとしては
 未成熟に近い配色です。
  
  これは成熟したメスの色かな・・・アオモンイトトンボはメスの体色に変異があるのが面白いですね。
  
  ちょっと陽が当たりすぎていますが, このメスも未成熟の配色ですね・・・でも交尾していると
 いうことは成熟しているので,体色と生理状態は個体差があるのだと思います。
  
  今回はオス型メスがいなかったので,どれも異色のメスですが,これは成熟した体色のメスです。
  
  今回は未成熟の体色のメスの交尾が 多く見られました。また探してみます。
  アジアイトトンボもいました。
  
  やはり朝から交尾時間が長い,アジアイトトンボです。このところアジアイトトンボの交尾態を
 見る機会が多くなっていますね。
  
  この場所はアジアイトトンボは少なめでした。
  
  イトトンボの交尾の撮影がたくさんできて・・・(種数は少ないが)良かったです。

  撮影しすぎで・・・時間がなくなってしまったので ,他の撮影はほんの少し・・・
   
  安定が悪い植物上で,ゆらゆら揺れながら縄張りを張るウチワヤンマ 。数はだいぶ少なくなってい
 ました。そろそろシーズンも終わりですね・・・

 911日(月)
  元気になったので,昼休みにどうしてもベニイトトンボの産卵を撮影をしたい!と出かけてみました。
    
   既に産卵している個体もいましたが,タンデムで飛んできた個体が移精を始めました。久々に
 観察しました。このあと交尾をしようとメスが接合しようと腹部を持ち上げると止まっている葉が
 ゆらゆらしてしまうので,他の場所に飛んで行ってしまいました。次は交尾個体を撮影したい。

  産卵個体も見られました。ウキクサの絨毯の上での産卵は美しい。
    
  個人的には水面ギリギリからの撮影は,大変ですが気に入っています。
  
  このペアは,メスの体色がやや赤みがかっているので 少し珍しいかもです。
  
  少し斜め上からも撮影してみました。でも少し上すぎ?
  
  これくらいの方が良いかも・・・このイトトンボのおかげでイトトンボ好きになったので,毎年
 必ず撮影したくなります。また撮影しに行かないと・・・

  910日(日)
   出ても大丈夫になったので罹患前に訪れた場所にまた行って,これで完全復活にしようと・・・
 今回の罹患は本当に残念でした・・・
  
  体調崩す前に出かけて魅了されたカトリヤンマに会いに行きました。今回はこのペアが少し高い
 枝にとまったものの,背景が抜けたところだったので良い写真になりました。
  もう少し背景の木漏れ日がはっきりわかるような位置でも獲ってみました。
  
  この方が良い感じですかね・・・個人的にはこれでかなり満足しました。
  
  翅もほとんど傷んでいない きれいなオスがいたので・・・撮影しました。
  
  もう1ペア撮影できました。先ほどのペアの写真で満足しているものの,見つければそれはそれで
 嬉しくて,つい・・・

  次に同じ敷地にまだ私が観察していないトンボがいるというので,行ってみました。
  
  薄暗い細流を縄張り飛行しているハネビロエゾトンボです。肉眼で見ると黒くて眼だけが緑色に
 光っているトンボでした。薄暗い環境なので,ISOを上げてシャッタースピードも速くしての撮影。
 ストロボも使用するので連写とかはできませんが,何枚かはピントが合っていたので出します。
  
  こちらの方が真横から撮影できたので,胸部とかも金属光沢で緑色に光っているのが分かりますね。
 もう少し時間をかければ良い写真が撮れるのかもですが,なかなか難しいですね・・・今回はこれで
 満足してしまいました(笑)
  テリ張りしていたオスが急に他個体を捕まえて飛び立ちました。どうも産卵しに来たメスを捕まえた
 ようで,私の直ぐ横で 交尾に至ったので,このまま低い枝にとまらないかと期待しましたが・・・
  
  残念ながら私の上方の枝にとまってしまいました・・・証拠写真にしかなりませんね・・・
  次のチャンスを期待します。でもこういう場面は場数を踏まないと・・・出会いは
  なかなかありませんね・・・
  
  ふと見たら細流の淀みでオニヤンマの雌が産卵していました。撮りづらい位置だったのですが,
 何とか撮影できました・・・迫力ある産卵シーンをもっと伝えられるように撮影したいものです・・・
 これもまたの機会ですね・・・(笑)
  林内ではホソミイトトンボが数多く見られました。これから越冬する個体なので,この林には
 数多くのホソミイトトンボの成虫越冬が見られるかもしれません。
  
  秋の個体はこのように体が青いのですね!でも春になってからの鮮やかなブルーというよりはやや
 くすんだ色合いのブルーです。また複眼が褐色を呈しており,縞模様がはっきりしているのが大きな
 特徴でしょうかね・・・もう少し冷えてくるとブルーは消えて体全体が褐色になるのだと思いますが,
 冬場に行って越冬している個体の写真を撮りたいものです。かなり多くの個体がいたので,たとえ
 越冬中は隠れていても少しでも見つかると嬉しいのですが・・・

 99日(土)
  ようやく完治したという状況になったので,撮影に出てみました。徐々に慣らしていきますが
 今回は本当に予想より(周りの罹患した人の症状より)悪くて長引いて,驚きました・・・。
  留学を引率できなかったことで,多くの学生さんに迷惑をかけました。本当に申し訳なく
 思います。
  
  せっかく来たのでベニイトトンボの撮影を・・・ ウキクサの絨毯上にいたオスを撮影・・・でも
 今回はレンズを1本しか持参しなかったので,遠いところの個体は撮れるか・・・・
  
  水から出ている枯木にもとまっていましたが,交尾や産卵個体は見られませんでした。今日は活性が
 低いのかな?ウキクサの絨毯が綺麗なので残念・・・
  午前中なので活動しているアジアイトトンボなどを見に行きました。
  
  ここではアジアイトトンボしか見られず、アオモンイトトンボはほとんど見られませんでした。
 このような時期もあるんですね・・・
  
  爽やかな緑色とアオモンイトトンボよりは穏やかな印象があって,個人的には結構お気に入りの
  イトトンボです。
  
  体色などの変異が非常に少ない印象があります。変異とかも調べてみたいです。
  
  どのペアも別個体です。こんな状態の場所もあるんですね・・・
  
  というわけでお気に入りとは言え,出し過ぎですね・・・すいません(笑)
  
  次はアオモンイトトンボの交尾態を紹介しますかね・・・
  
  ベニイトトンボの場所に戻ると・・・ この場所では久しぶりに見ました,リスアカネです。
  
  3年前には目撃していたのに,その後この場所では観察できていなかったので いなくなったと
  思っていましたが見られて嬉しい。でもここでは水辺の木陰にいました。
  
   ウキクサの絨毯ではクロイトトンボが産卵していました。これはオス型のメスです。あとは離れた
 場所で産卵していたので撮影はできず・・・
  今日はベニイトトンボが少ないので帰るかと思ったところで1組だけ産卵ペアを見つけました。
  
  ウキクサの場所ではなくヒシの生えていた場所でしたがこれはこれで嬉しい。しかしこのペア以外は
 見られなかったので・・・こういう日もありますね・・・
  
   少し移動しましたが,似た構図ですね・・・というわけで,ようやく私も出かける気にもなって
 きたので,ほぼ治った状態だと思います。

 827日(日)
  本当に忙しい日々で,イヴェントやら出張とかで・・・疲れ果てました。いよいよベトナムへの
  留学引率があるので,最後の息抜きということで,カトリヤンマがいると知人が教えてくれた場所に
  行ってみました。でもまさかこれから休むことになるとは・・・

  その場所に行ってみると,大きな池があったので立ち寄ってみたら岸には・・・
  
  たくさんのアジアイトトンボが交尾していました。アオモンイトトンボは見られず,アジアイトトンボ
 だけでした・・・ でもカトリヤンマが気になってほとんど撮影しませんでした(笑)

  教わった水辺近くの林に入ると,たくさんのヤンマが飛び交っています。カメラを向けてもすぐに
  飛んでしまうので ,しばらくは追いかけっこしていましたが,先ずは最初の撮影。
  
  こうして撮影すると確かにカトリヤンマでした。でもこの個体はメスでしかも未成熟個体。複眼の色が
 褐色であることと,腹部末端の尾毛がまだきれいなことからも裏付けられます。
  
  オスもとまってくれました。複眼が綺麗な水色に光り,大変美しい!魅了されました。
  
  こんなふうに翅がクモの巣だらけになっている個体もいました。林内の至る所にクモの巣が張り巡ら
 されているから,活発にしている個体はこうなってしまうんでしょうね・・・
  林内の下草には多くのイトトンボが・・・
  
  何種類もいましたが,個体数が多いのはこのホソミイトトンボ。今いる個体は成虫越冬するので
 このままこの林内かどこかで冬越しします。夏の終わりの個体は少し水色ががっているんですね。
 この胸部の水色は消えていき褐色になります。 複眼が褐色で縞模様がありますね。
  
  他で見つけたこのメスは青みが全くないので越冬時の体色に近い感じです。どの個体も最初に
 ブルーがかるのかを調べてみたくなります・・・
  ホソミオツネントンボもいました。
  
  彼らは体色の変化はなくて今の時期から越冬仕様です。

  
  まだ夏の林内ですからいろいろな昆虫たちも飛び出します。これはアミメクサカゲロウ,久々に
 確認しました。でも見事な保護色です。
  林床でバタバタ羽音が聞こえたので覗いてみると交尾個体が!飛び上がって直ぐ近くの枝に!
  
  初めて撮影したヤンマの交尾個体です。ギンヤンマもまだ撮影していない・・・カトリヤンマが
 第1号となりました。もう少し横から撮りたかったが近すぎて枝も邪魔で・・・そしたら飛んでしまい・・・
  
  近くの枝にとまりました。この角度の方が良いですね!背景がややうるさいけど嬉しいです。
 その後ペアは見かけましたが,皆かなり上方の枝にとまってしまい,撮影はできず・・・
  
  オスは結構いたのできれいな個体を見かけると,ついつい撮影・・・美しいですね。
  成熟したメス個体もいました!オスは興味を示さないのか?
  
  まだ複眼の色が黄色っぽいところもあるからもう少しで成熟なのかもしれませんが・・・
  
  と思ったらこのメスも複眼が黄色い部分があるものの,尾毛が1本折れているので,産卵経験がある
 メスですね! だとすると成熟メスものんびりしている?ことも多いようですね。
   竹藪のそばでもう1ペア発見!
  
  このペアは低いところにいたので撮影できました。少し撮影したところで逃げてしまいましたが・・・
  
  これまた低い位置だったので良かった。ペアとしては7組ぐらい目撃しましたが, 撮影できたのは
 2組だけでした。でも個人的には撮影できて嬉しかったのでよしとします。
  
  林内にはリスアカネもそれなりに飛んでいます。水辺にいるものだと思っていたので,少し
 驚きました。
  
  メスもいました。もう繁殖時期だと思いますが・・・ 今年はまだ暑いから繁殖には早いのかも
  しれませんね・・・
  
  林内はツクツクボウシだらけです。他のセミの声は聞こえません。ある個体を撮影してみました。
 それなりに長くいたので,最後にオスを探すと・・・
  
  背景が抜けた良い写真になりました。初めてのカトリヤンマ交尾撮影,良かったです。
  また行きに立ち寄った池に行くと ・・・
  
  やはりアジアイトトンボが産卵していました。やや敏感で水面の高さからの撮影は諦めました・・・
 これで元気に海外へと思ったのですが・・・なんとこの翌日に発熱。抗原検査で思いっきり陽性
 となり,高熱も続き・・・残念ながら引率は諦めました・・・どこで感染したのかも不明ですが
 まさかかかるとは思わなかったので・・・今後も気をつけなくてはなりませんね・・・

 84日(金)
  いろいろ忙しくしているうちに,もう8月となり,そして明日は恒例の昆虫教室です。
 なんと二部制になってしまいました。皆さんも暑い中来ていただきますので,良いものに
 したいと思っていますが・・・

  農薬の試験で圃場に行ったらクロバネツリアブがいました。
  
  左のメスの周りをオスが飛び回っています。ゆっくり飛んでくれたのでどちらもピントが合う瞬間を
  狙って 撮影できました!その後メスが嫌がり雌雄とも消えてしまったので交尾は撮影できず・・・

  萎れたムクゲの花に,クマバチがとまっていました・・・
  
  暑いからバテているようにも見えました・・・皆さんもご自愛ください。

  711日(火)
   自宅のベランダに夜,ニイニイゼミが飛んできました。しかもこんな雨樋的なところに
  とまっている?のに元気よく鳴いていました。

  
  連日酷暑といって良い暑さですが,夜温も高いし,夜も灯りのせいで明るいから普通に鳴いてい
 ます。こんな暑いのにまだアブラゼミは出てきていません。積算温度がまだアブラゼミの羽化には
 達していないのかもしれませんね。

  710日(月)
   西千葉キャンパスで会議がありました。会議後にトンボが発生している場所に行ってみました。
 ただ,今日の暑さのため ,少ししか撮影できなかった・・・
  キイトトンボが見られるということでしたが,行った時間は午後だったので交尾や産卵は見られず
 あまりの暑さに,最初見られたオスやメスも姿を消して 出てきませんでした・・・

  
   しかし,よく目をこらしてみたら,羽化直後の個体が!他にももう1個体羽化していたので,こんな
 日中に羽化するんですかね・・・しかもこんな暑い日に!水温も高かったので,避難的に羽化したのか
 と思うぐらい・・・ 文献では朝方に羽化するとあったので,これが特殊な事例なのかは,課題ですね。
  同じ場所にいた2種のトンボ科のトンボ・・・
  
  暑い中,黒色で暑いだろうに・・・チョウトンボは元気に飛び回ったり休んだり・・・
  
  ショウジョウトンボはオス2頭が追っかけっこ したりで,暑さを感じさせない活動ぶり!しかしこの
 場所は草が生えないようにシートが張ってあり,照り返しで凄い温度に・・・身の危険を感じる暑さに
 早々に引き上げました。

  79日(日)
  汽水に生息している

  77日(金)
  新たに行う「昆虫教室」の下見で市原市へ・・・夜間の観察をしました。
  
  仕掛けたトラップに2頭のノコギリクワガタが来ました!目の前で争いはじめて,同行したスタッフ
 さんも感動していました。8月のお盆に本番がありますが,それまでにいろいろ準備しないと・・・



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