戸定の昆虫 2022-2 (4~6月)April to June, 2022


 感染は横ばい的ですが,そろそろ日常生活を送っていけそうな気もする・・・春です。
 生物の活動するシーズンに入ったので,地元や遠出しての写真も紹介したいと思います。
 今年度の講義はは対面となりましたが, コロナ対応もあるからどうも忙しく更新が全くできません。
 夏休みとかに埋めていく予定ですが,申し訳ないです・・・

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  628日(

  午前中に用事がなかったので,考えましたが,思い切ってヒヌマイトトンボの観察に!
  梅雨明けで酷暑でしたが,心配した水は昨年より溜まっていたので安心しました。
  
  ただ,肝心の個体数はあまり多くなかった・・・でも見つけると感動します。美しいグリーンです。
  
  オスは何頭か見ましたが ,メスがいないので探したところ・・・
  
  未成熟個体やまだ羽化したばかりの個体がいて,酷暑といってもまだこれから発生なのかも
 しれません・・・
  と思っていたら・・・
  
  いきなり交尾個体が現れて感動しました!ということは産卵もと思いましたが,彼らの産卵は午後
 ですし,酷暑で身の危険を感じたので,産卵はまたの機会にします。もっと水分を持っていくことに
 して再挑戦します。 その後少々体にダメージがあったので,戻って正解でした。

 

  514日(

  今日は放送大学で授業があり,その後大学で打合せがあったのですが,薄日が射していたので
 夕方になってしまいましたが,学内の池に行くと・・・
  
  まだ羽化したばかりの個体がいましたが,ホソミイトトンボのように見えたものの,アジア
 イトトンボだと思います。同定はなかなか難しい・・・
   あとはクロスジギンヤンマが来ましたが,ホバリングとかあまりせず撮影はできませんでした。
 アオモンイトトンボは数多く見られましたが,もう活動時間は終わっていました。
  
  1個体だけは,水面のすぐ上を飛行してユスリカを狙ったり,せわしなく活動していました。
  
  水色っぽい個体とこのように緑色っぽい個体がいました。
  メスで見つけた個体は未成熟個体でした。
  
  オレンジ色からだんだん緑色になってきています。交尾や産卵もまた撮影したいものです。

  510日(

  GWも終わり,日常生活が始まっていますが,どうも今週は今日だけ天気が良いようなので,学内の
 池に行ってみました。
  
  シオカラトンボのメスが産卵に来ていました。このメス1頭だけでの産卵でオスはいませんでした。
 この池にはオスはいなかったので ,単独産卵という感じですね。
  
  やや逆光気味で残念でしたが,池の水面の水を飛ばしているのは分かります。
  
  これが水を弾き飛ばす瞬間でしたが,ややピントが甘くて残念・・・
  池の周りにはアオモンイトトンボが結構いました。未成熟のの個体も
  
  アオモンイトトンボの未成熟メスは,オレンジ色をしています。次に緑色になり,褐色へと
 変化します。
  
  オスは色づいたのが多かったです。また,午後に池を覗くと産卵している個体もいました。
  
  今年は外来種が繁らないので,産卵も見やすく,撮影もし易くなって嬉しいです。
  
  産卵場所も少ないので2頭が産卵していましたが,場所が被ります。そうなると一緒に産むのではなく
 互いに飛び上がり威嚇していました。気性が荒いのがこの行動でも分かります。
  
   図鑑には「潜水産卵も見られる」とあったのですが,この個体は少し潜ったらすぐに飛び上がって
  嫌がるように移動しました。
  
  せいぜいここまででした。この後にすぐに出てしまいました。ということで,潜水産卵の写真は,
  今日は撮れませんでした。
  
  水面に展葉しているヒシには産まず,浮いているやや枯れた植物や水面近くまで繁ってきたカナダモ
 に産んでいるようです。2年前はなかなか産卵シーンが撮せなかったのに,近場で簡単に撮せるのが
 嬉しいです。

  53日(

  ホソミオツネントンボ,昨年は春の産卵の写真も結構撮ったので今年も撮りたいものの,天候や
 自分の日程の関係で,今日ぐらいしか出かけられないので行ってみました。
  
  ところが,昨年それなりに見られた近場の池には全くいなくて・・・ 諦めたところに青い影が・・・
 結構飛び回っていて餌を探しているよう。やっと静止してくれたのでファインダーで覗いたら昨年は
 見なかったホソミイトトンボが・・・このトンボだけは分布拡大がはっきりわかる気がします。
  あとはシオカラトンボ?が飛翔しているだけだったので ,諦めて学生との話し合いもあって大学へ
 約束の時間より早いので学内のトンボ池に行くと・・・
  
  昨年は機会が少なかったクロスジギンヤンマが産卵していました!しかも2頭。池の掃除をしたから
 水草の影に隠れることもなく ,撮影でき,これは嬉しい!
  
  昨年はほとんど展葉できなかったヒシも,今年は池面を覆ってくれそうで ,早速産卵基質にもなって
  いました。 アオモンイトトンボも見られたので,今年は更にトンボフレンドリーな池になることを
  期待したいです。

  47〜11日(木〜月

  毎年恒例の石垣島での調査ですが,今年は与那国と石垣島へ。キチョウもそれなりに採集できましたが
 やはり合間の撮影も(笑)  
  与那国島といえば,日本ではここにしかいないアオナガイトトンボ
  
  昨年は天候も悪く時間も無かったので,証拠写真程度でしたが,行ってみると昨年よりは良い位置に
 とまっています。簡易なウェダーを履きましたが,撮影のために屈むため,浸水しまくりでした(笑)
  
  豪雨があったようで地形も少し変わっており,個体数も少ないので 写しにくかったですが,昨年
 よりはマシかもしれません。
  もう一種のナガイトトンボもいました。
  
  アカナガイトトンボは結構好きなイトトンボですが,与那国ではこの個体しか見ませんでした。
 アオナガイトトンボと同所的にいるのは嬉しいです。
  
  交尾などはまたの機会ですね・・・ と思っていたら,アオナガイトトンボがタンデムになっていて
 ビックリ!交尾しないかと後を追ったら,交尾は終えたようで 産卵場所を探しているようでした。
 奥の方の植物の根を気に入ったようで,そこに定位しそうだったので,また靴に浸水しながら
 近づき観察 すると・・・
  
  産卵していました!タンデムでもあまり安定した感じがしないので,そのうちはオスが離れるのか?
 なんて思っていましたが・・・
  
  だんだんメスは潜って潜水産卵となっていきます。しばらくしてオスは連結をときました。
  
   その後はメスが単独産卵。むしろ自由に産卵しているようでした。最初のうちはオスも近くに
  いましたが,その後はいなくなりました。
  
  水が綺麗なので潜水しているのがわかりにくいですが,残されたメスは淡々と産卵しています。
  
  水が澄んでいるのでわかりにくいですが,翅を除いて体はほぼ水中に入っています。このメスは
  その後も長い間産卵を続けていました。交尾は観察できませんでしたが,産卵はじっくり見られて
 良かったです。
  島のあちらこちらで,オスのクマバチが ホバリングしてテリ張りしていましたが,これまでは
 本州と同じ種(キムネクマバチ)と思いこんでいました。
  
  しかし,胸部背面の毛の色は白く, 脚に生えている毛は赤いではありませんか!教えてくれた
 後輩に感謝しますが,アカアシセジロクマバチだそうで,思い込みはいけませんね。もっと写真を
 撮っておけば良かった。

  (まだ続きます)   

  42日(

  いよいよ春本番,成虫越冬だけではなく,新たに孵化したり羽化してくる昆虫も出てきます。
 トンボで早春に羽化する種類が多く,そんな1種であるシオヤトンボの羽化の撮影に行きました。
  シオヤトンボは朝,羽化します。休耕田の沼地の低い場所で羽化するので,目が慣れないと
 見つかりません。水から上がって体を定位させ,背中が割れて成虫が出てきた状態のシーンは
 今回は残念ながら見つからず・・・
  
  このように,幼虫の殻に腹部先端を引っかけて体を反らし,脚が硬くなるまで休止している個体の
 撮影スタートとなりました。
  しかし,ここから体を持ち上げて抜け殻に掴まるのは ,セミや昨年のウチワヤンマとは全く違い
 一瞬でした!この個体までの2頭は,少し目を離したすきに,もう掴まっていて失敗(涙)
  
  そこでこの個体は,目を離さずカメラを覗いていたので,しがみついたところを撮影できました。
 何の前触れもなくという感じだったので驚きました。
  
  次に腹部先端が殻から抜ける瞬間を狙いましたが,この段階から一瞬で抜けてしまい写し込めず・・・
 連写とかしていないと無理ですね・・・
  
  腹部を抜いた直後ですが,今回はこれで良しとします・・・シオヤトンボ恐るべし・・・
  
  この状態で静止していると,翅がぐんぐん伸びてきます。
  
  少し逆光気味のため,翅が明るくなって良かった。 右の翅の伸びが少し遅いですね。
  
  他の個体でも,翅の伸び方に差があったので,珍しいことではないようです。
  
  左の翅は,ほぼ伸びきったようです。
  
  伸びきりました。あとは腹部が伸びてきます。この個体はここでおしまい。
  
  他の個体ですが,翅も乾いてきて透明感が増しています。腹部も伸びてあともう少しですね。
  2頭並んで羽化している姿も見られました。
  
   もっと早く気が付いていたら,良い写真になったかも・・・残念・・・手前の方が少し早いですね。
  
  少し経って見たら,手前の個体は翅を開いて乾かしていました。透明感が美しい!
  ということで,今シーズンのスタートとなった観察会でした。

  41日(

  いよいよ新年度です。4月からはページ?が変わるので,辞令交付のあとに夕方の学内を少しだけ
 散策して昆虫を探しました。
  
  以前は学内のマサキの生け垣にミノウスバがいましたが,最近はあまり見なくて,農薬の試験を
 行うにも市内の他の場所で発生した個体を供試していました。何も期待せずマサキを見たら何と
 このように成長点が枯れている部位を見つけました!
  ミノウスバの初齢幼虫の食痕とそのせいで枯れた新芽の部分です!
  
  枯れた部位にはもういないので,近くに移っていました。学内の個体を見るのは久しぶりか・・・
  
  春と言えばヤブキリの幼虫も象徴的ですが,タンポポの花にいる個体を探したら・・・
  
  最初に見た花に,1頭乗っていました!しかし,あとは1頭もいなかったので,まだ発生初期かも
 しれません。暖かくなってきましたが,今日は少し寒いので活動していないのかもしれませんが,
 他に姿を見なかったので,まだ孵化個体は多くないと考えられました。
  早春の昆虫たちを確認できて嬉しい。
 


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