戸定の昆虫 2014鹿児島・奄美大島 特別編
もう寒くなってきましたが、鹿児島と奄美大島で供試虫を採集しました。
11月 28日(金)
初日は鹿児島でしたが、天候も悪くなってきたので成果はあまりなかったです。
都内でも見かけたミナミトゲヘリカメムシの幼虫がいました。和名からすると鹿児島の方が
正当な感じです(笑)調べたら1973〜75年に鹿児島で見つかって柑橘類を吸うので問題になった
ようです。日本での発見もここ鹿児島が正当だったようです。
11月 29日(土)
朝から雨になり、今度は奄美大島に南下しました。奄美大島は雨ではなかったので採集など始めました。
学生2名は採集に専念だったので、私は手伝いつつも、ついつい撮影に・・・特にこのアオタテハモドキは
ブルーがきれいなので、時間を忘れて撮影してしまいました・・・でもきれいですね!
次の場所は隣接した場所に植木にアブラムシが大量に発生していたので、アブラムシとその天敵が多かったです。
紹介しますね。
奄美大島のダンダラテントウも赤みが強い個体でした。本州のほぼ黒一色の個体と比較すると、別種のように
見えますね。
これはヒラタアブの幼虫ですが、種名はわかりません。
単なるハネナガイナゴと思ったのですが、側面の黒帯の色が薄いのはタイワンハネナガイナゴでした。
南西諸島特有なので撮影して良かった!
ようやく見つけました、マダラノミバッタです。ノミバッタより白い斑紋等が多いです。今回は天気の影響で
あまり見つからなかったので、次年度採集しに行きたいものです。
石垣島にもいたアシナガキアリがいました。巣が近くにあって、盛んに出入りしていましたが、大きな餌を
持って帰る個体は見られませんでした。
最近見かけるものの、動きが速くて満足な写真が撮れなかった、アオバアリガタハネカカクシですが、
今回植物体上で休んでくれたので、バッチリ良い写真が撮れました。いろいろ出ている巷の写真の中でも
これは良い感じに写っているので、かなり嬉しいです。
トリバの仲間はこれまで撮影していなかったので、同定は難しいですが、手持ちの古い図鑑ではトビモントリバ
しか似た種類がいないので、新しい図鑑で調べます。
ガジュマルの樹にとげの生えた幼虫がいました。イシガケチョウの幼虫です。特徴的な形態で嬉しくなりました。
こういう特殊な形態の幼虫の写真も増やしたいものです。
こんな枝にいる虫を若い学生は見つけてくれます。ありがたい。
拡大するとこんな幼虫です。キシタバの幼虫かなと思いますが、うーん・・・わかりません。
マダラコオロギがいました。奄美大島以南にいるコオロギですが、体は大きいのに地味な「ジッ、ジッ」
という鳴き声です。個のオスは前のメスの後で盛んに鳴いていました。
11月 30日(日)
朝から雨でがっかりです・・・南部に向かいました。
夜の運転で林道に出てくるイシカワガエルやアマミノクロウサギをひかないようにという注意看板です。
ところがこのイシカワガエルの看板の後ろの樹に本人がいました。
木のうろに潜むイシカワガエルです。用心深くて近づくとすぐに引っ込んでしまうので
注意深く近づきました。良い色の蛙です。
昨日もいたマダラコオロギですが、林道脇のクワズイモにオスメスがいたので撮影しました。これはオスがちょうど鳴いていて
翅をやや広げているところです。交尾行動の写真でも撮れると良かったのですが・・・
これは南西諸島を代表するクモだそうで、チブサトゲグモという種でした。こうして
網の真ん中で休止していると、どちらが頭かわかりませんが・・・
活動していると、先ほどの写真は下が頭なんだとわかりますね。網を直しているようでした。
草原にはバッタがいましたが、このようにショウリョウバッタは幼虫でした。12月頭に幼虫なら
周年発生なんですかね・・・
緑の個体もいました。
ササキリがいましたが、単なるササキリと違って側面に黒帯がないのでホシササキリのようです。
この種も周年発生しているようです。
ウバタマムシがいましたが、南西諸島の個体は、翅に金属光沢があります。美しい!
もっと見つけたかったが、いませんでした。
12月 1日(月)
今日も雨でした・・・がっかり・・・帰るまで採集しました。
ナナフシがいました。小さい翅が生えていて、タイワントビナナフシの幼虫かな。
奄美以南では周年発生していて普通種のようなので、この種だと思います。
水田の後作で?タイモというものが作られていました。水田に生えるサトイモ系のお芋です。
観察していたらハスモンヨトウが結構出ていました。サトイモにはたくさんつきますからね・・・
田んぼの脇にカエルがいました。ヌマガエルのようです。だとすると、本州にもいるカエルですが、
私ははじめてみたと思います。カエルもいろいろ撮影したいものです。
ということで天気に恵まれませんでしたが、楽しむことはできました。