戸定の昆虫 2013年 1〜3月


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   本年もよろしくお願いします。様々な事情から、更新はなかなか出来ないかもです・・・


3月 30日(土)

 学会帰りに寄った都内で見つけたイチョウの芽生えです。小さい時が可愛いと聞いていましたが、
ようやく撮影できました。確かに可愛いですね。
 
 最後は植物で終わりましたが、新年度は昆虫の写真でスタートします。

3月 26日(火)

 桜は満開になりました。他の植物はどうかなと見てみると・・・
 
 昨年移植したカラスザンショウは元気いいものは大きくなっています。ほ場脇の大きな個体の芽生えです。
大木になってほしいが許されるかな?

3月 19日(火)

 久々にカメラを持って学内にでました。暑いぐらいの天気でした。花はたくさん咲き始めましたが,昆虫は
まだまだもう少しですね。
 
 足下のクロヤマアリの巣は、造成中のようで,たくさんのワーカーが活動していました。この写真でも
たくさん写っていますね。

 
 ヘリグロテントウノミハムシは、ヒイラギモクセイに産卵しますが、春先だけは新芽の展葉が早い,
キンモクセイにやってきます。これからかじるところのようです。

 
 早くも交尾個体が見られました。

 
 ユキヤナギにヒラタアブが来ていました。今日は見られたキタキチョウやウラギンシジミなども含めて
この写真の昆虫は皆,成虫越冬の種でした。ヤマトシジミだけは今年羽化した個体です。
 暑いくらいなので皆飛び回り,写真は撮れませんでした。

 
  脚が黄色くて太い小さな蜂だから,キアシフブトコバチと思って検索したらまさにその名前でした(笑)
 寄生性の蜂だそうで採集しておけば良かったと思いました。また学内で探してみます。

3月 17日(日)

 このところ急速に暖かくなり,昨日,都内ではソメイヨシノが開花しました!先週はまだ孵化していなかった
ミノウスバはどうかと見にいったところ・・・

 
 孵化しておりました!13日とかに孵化した感じですね。いよいよ春到来です。今年は長い冬でした・・・

 
 ことしも講義のときに紹介します。

3月 11-12日(月〜火)

 寒かったのと,大学のイベントやその他でちっとも外には出ませんでした。外部会議で知り合った上越教育大学の
先生方のお誘い?を受けて十日町や上越市に行って参りました。少しずつ暖かくなってきましたが,雪深い世界を
堪能してきました。

 
 11日は十日町の博物館キョロロ付近で観察しました。スノーシューをレンタルして雪原歩行を楽しみました。

 
 雪上を普通にトビムシが活動していました。セッケイカワゲラしかいないのかと思っていたのに
いろいろいるのだと雪上の生物に思いっきり興味を持ちました。
 
 雪で背景が白くなるので,どうしてもシルエット的な写真になりますが(トビムシも黒いし)
この個体は体の模様がわかりました。複数種いるのかな・・・

 
 雪上にはユスリカの仲間もいます。感動的です。もっと長く滞在して観察してみたいものです。

 
 12日は上越市をまわりました。海岸には雪はないのに川を上っていくとどんどん雪深くなります。温泉施設がある
道の終点ではこんな感じでした。今日は晴れていて暖かく照り返しがきつい天気でした。

 
 目標はセッケイカワゲラでしたが,雪上に動く生物が!明らかにカワゲラですが,しっかり翅が生えていました。
これは冬からいるというよりは春を感じて羽化してきたという気がします。カワゲラも奥が深いです。

 
 

 そしたら、いました!翅のない個体が!
 
 
 翅のないカワゲラ,セッケイカワゲラです。出会えて感動です。とっても嬉しくなりました。
 暖かいので日が当たっているところではほとんどいませんでした。見るとどうも雪に潜り込んでいるようです。
やはり冷たい方がいいのですね。

 

 こうして雪を撮影してみると、雪は真っ白というのではなく,いろいろなものが落ちています。また雪の中で
生育する珪藻類とかもあるそうです。セッケイカワゲラはこうした雪上の有機物を食べているのかと思いました
が、もと積極的なハンターでした。

 
 トビムシを捕食していました。死骸というよりは捕まえて食べていました。

 
 黙々と食べていました。捕食まで撮影できて嬉しい限りです。 目的も達成できて嬉しい久々の野外観察と
なりました。上教大の先生方や同行した学生さんにも感謝します。 

2月 10日(日)

 実家のことでバタバタしているので大学に行けないこともあり,卒論や修論の発表練習を日曜日にやりました。その際に学生の
実験材料であるナミテントウの幼虫とエンドウヒゲナガアブラムシの写真を撮影したので,野外の虫でもないので申し訳ない
ですが,載せておきます。反則技ですいません。次は野外で撮ります!

  
 こうして撮影すると幼虫もしっかりとした大顎を持っていることがわかります。

  
 エンドウヒゲナガアブラムシを捕らえたナミテントウ幼虫。食べられているアブラムシから警報フェロモンが出て
それを感知した下に写っているアブラムシはみんな逃げてしまいました。

  
 ソラマメの芽にいるエンドウヒゲナガアブラムシの集団,下部の有翅虫(移動分散のために
翅を持っている成虫)が産仔しています。

2月 2日(土)

 前回のフユシャクから一度もカメラを手にすることがなく、次のフユシャクになりました。1月25日に父も亡くなり、
個人的にいろいろ大変でしたが(個人的な話題ですいません)、こうして観察会を出来たので嬉しかったです。

 
 このオスはシロフフユエダシャクのようです。メスはたくさんいたこの個体が特徴が一致しました。
 
 短い翅がついています。でも前回みられたナミスジフユシャクより翅は小さいですね。
 
 この個体は幹にいて落ち着いていましたが、後でみたらもういませんでした。
 
 このように柵の横棒にいる個体は落ち着きなく歩き回っていました。もっと上にいきたいのか、
落ち着かない体勢なのか・・・
 
 そこで付近の枝に移してやったら、この位置で落ち着いてしまいました。このように上を向いた方が性フェロモン
の放出にも体勢が良いのかもしれませんね。しばらくみていましたが、交尾時間ではないのかオスは来ませんでした。
 
 やや正面から撮影することが出来ました。体の割に長い脚ですね。フユシャクはみなそう感じます・・・

 
 そしてこちらのオスは外横線の形状でウスバフユシャクかな・・・となるとメスがこれですね
 
 こちらは翅は全くないのが特徴です。歩き回っていました。

 今回もこちらの交尾写真は撮ることが出来ました。
 
 
 今度は10時とか、遅い時間に交尾する種の写真も撮りたいです。

 この日はかなり暖かく、他の生物も現れていました。まずは蛾の仲間から・・・
 
 こんな時期に樹液もしみ出したりするんですね。そしてそれを吸っているこの蛾はうーん
わからないのでもう少し調べてみます。

 
 昨年はこの蛾の吸蜜写真を撮った気が・・・調べたらヨコスジノコメキリガという種でした。
10月に羽化して翌年4月までみられる冬の蛾ですね。こうして真冬に活動する蛾はフユシャク以外にも
いるんだなと、昆虫の適応力の強さに感心します。

 
 活動と言えば、これには驚きましたが、結婚飛行をしているのか羽蟻がいました!そして右の個体のように翅を落としたと思われる
個体も!こんな時期に婚姻飛行とはびっくりです。天敵からは逃れられそうですが、真冬に繁殖シーズンとは・・・

 
 暖かかったので、ヨコヅナサシガメもうろで集合しているのではなくて、幹を歩き回る個体が
多くみられました。また寒くなるだろうに大丈夫かと心配してしまいます。

 
 このゴミムシダマシも何匹かいました。暖かかったとはいえ、これも真冬に活動できる昆虫の
一種なんでしょうね。調べてまた説明します。

 次は活動ではなく越冬中の個体
 
 葉の上にいきなりある固まり、これは何でしょう?左なんかはゴミにしかみえませんが、これはクサカゲロウの仲間の繭です。
食べた餌の死骸などを自分の背中に載せるタイプのクサカゲロウがいますが、これはその死骸なども繭の構成成分になっています。
右の繭はアオバハゴロモのロウ物質的ですね。
 
 寒くなってきたのにこのジグモの仲間は外に出て待ち伏せ?していました。クモも面白いですね。

1月12日(土)

 恒例のフユシャク蛾の観察会を行いました。時期を早めところ、多くの個体を見ることができて感動しました。今度は12月にも
観察会を開き、早い時期に羽化する種をみてみたいものだと思いました。

  
 左がオスで右がメスのこの蛾は同じ種かなと思いますが、ナミスジフユシャクのように思えますが、確かにそうかはわかりません。
近縁種も多いし、雌雄で配色とかも違うので、フユシャクの同定は難しいですね。

 
   上のナミスジフユシャクと思われる蛾の交尾個体です。美しい写真が撮れて感動です。
  ウスバフユしゃくとかと違って交尾後しばらくしてもオスは翅をさげないので、メスの姿が
  はっきり写りますからとても良い写真が撮れますね。

 
 これは同じ個体です。少し移動したので違う雰囲気になりました。メスの腹部側面に
輪状の紋が見られるのが特徴的ですね。

 
 これは違う個体ですが、この角度だとメスの腹部の輪紋がはっきりせず、メスの翅の斑紋も
はっきりしないので、ナミスジフユシャクかどうかもわからないですね・・・(苦笑)

 
 これも翅が少しあるタイプのメスですが、種の同定は難しいですね・・・

 
 これはクロテンフユシャクかな、黒い点がはっきりしているのとやや薄い個体がいました。
でも外横線の直線度合いはウスバフユシャクだが・・・

 
 たくさん飛んでいて交尾個体も本当に多く見られました。これはウスバフユシャクかな・・・
メスの翅が完全に退化しているタイプです。
 この日はメスもたくさん見られたので、観察も十分できました。

 
 
 
 交尾中も移動していることが多いですが、基本はメスがオスを引っ張り回す感じです。

 
 
 翅を閉じてしまうとメスが見えにくくなります。これは外横線の形状からすると
クロテンフユシャクですが・・・

 このオス個体は、翅に黒い点がないので、別種ですかね・・・
 

 ウスモンフユシャクにしては翅頂から出る黒線があるし、外横線などが薄くないが・・・
だとすると、ウスバフユシャク?

 よく見ると彼らも交尾個体が・・・
 
 

  今日の観察では、少なくても3種?は観察できました。
 以前見たときよりも本当に多くの個体が見られ、たくさん撮影もでき、とても良い観察会でした。 
  次回は2月上旬に行く予定ですが、数は減っていると思うので・・・でも他の昆虫など探して
 みますので、お楽しみに。

1月4日(金)
 今年も学内を歩いてみました。天気はよかったが、寒くてハウス内にいるアリは見つけましたが、これは暖房を
入れているので自然の姿ではないしなあ・・・で、植物の写真です。

 
     ウメのつぼみはまだもう少しですね。ミツマタも開きそうな感じでしたが、黄色く咲くにはまだもう少しですね。

 しかし粘っていたら見つけました!
 
 ミノガの一種とハラビロカマキリの卵です。なんとか越冬している昆虫の写真が撮れました。
 どうぞ本年もよろしくお願いいたします.


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