2009年 4月30〜5月2日 石垣島で採集など
戸定の昆虫2009-2に戻る
石垣島に行きました。目的はカメムシだったのですが、目的のものは採れず、がっかりです。
でもいろいろ昆虫は見られてよかったです。またミカンキジラミとカンキツグリーニング病について
研究所の視察もできました。
4月30日(木)
芝生があるような場所にはこのアオタテハモドキが多数生息しています。縄張りも持っていて2匹
または3匹以上の個体が巴のようになっていて各自の場所等を主張しています。とまったときのこの
コバルトブルーにはいつもながらはっとします。右は彼らの幼虫です。成虫と似たような生息場所で
しっかり餌を食べていました。幼虫もよく見ると青スポットなどがあり、成虫と同じ配色をしています!
あまりいい写真ではないですが、1匹が吸蜜しているところにもう1匹が
襲いかかろうと?しています。
月桃の葉に少し大きめのアシナガバエの仲間がいました。メタリックグリーンの色がきれいに
写らないかと撮影しましたが、動きがすごい俊敏で、ストロボの閃光に反応して飛び立ってしま
います。で、また同じ葉に舞い戻るのですが、何枚か撮ったら慣れたのか?動かない時もあって
静止写真が撮れました。
こちらは閃光に驚いての飛翔状況こんな風にピントが合うこともありました。彼らは
肉食性といいますから、この俊敏さが捕食に役立つのでしょうね。でも捕食シーンや
食事中の個体は見られなかったです。今度餌をあげてみようかなと思いました。
ハイイロテントウがシークワーサーの樹にいました。彼らはギンネムにいてギンネムキジラミを
主な餌にしていると思ったので、こうして他の樹にいると他の餌も食するのだろうと思います。
ミカンキジラミも捕食するのかな・・・
ジュウニマダラテントウという植食性のテントウムシがいました。ウリの葉を食べるそうで
トカラ以南にしかいないから私は知りませんでした。光沢がないので植食性かなと思いましたが、
こういうナナホシテントウに似た?斑紋のテントウムシもいるんですね。
コシロモンドクガの幼虫です。近くにあったマンゴーにはいなくて、無農薬の
シークワーサーにはたくさんついていました。前方に伸びる触角のようなものは
触角ではなく、毛の束です。とれている個体もいます。
ヒメクダマキモドキがシークワーサー葉上で休んでいました。撮影していても全然動じず、
隠れていると思っているのか、開き直っているのかはわかりませんが、全く動きませんでした。
5月1日(金)
川平湾展望台から見た湾の全景です。こういう写真がないと石垣にいることがわからないかと・・・
卒業生のおかげで観光スポットにも行き、コバルトブルーの海を楽しみました。
もちろん南国にしかいない昆虫でどこにいるかがわかりますね(笑)このイワサキクサゼミを
撮影することも楽しみにしていたので、嬉しいです。小さいセミですが、翅の緑のグラデーションが
美しいです。午前中には多くの個体が鳴いていました。
モリバッタの仲間の幼虫かなと思いましたが、成虫をみると似ているものの、断定できません。
クワズイモの葉上の凹みを定位置にしているようでした。
ナガメに似ていますが、もう少し赤い紋が複雑なこのカメムシはヒメナガメです。
この種は全国にいるようですが、採集したキャベツ畑では優占していました。
キャベツ畑にはイラクサギンウワバもたくさん見られました。本州だとタマナギンウワバと
混発しますが、石垣島ではイラクサギンウワバだけでしょう。
クモヘリカメムシが交尾していました。これも全国普通種ですね。
ベニボタルの仲間も交尾しています。鮮やかな色彩です。調べてみたらタイワンベニボタルという
種のようですが、そうだとすると「5月に出現するが稀」(原色日本甲虫図鑑)な種だそうです。
そんな種とは思わずこの写真だけの記録です。なかなか嬉しいです。
やはり赤い個体がいましたが、これはサシガメのようで、同じく赤い個体を吸汁して
います。共食いなのかな・・・自然界の厳しさです。やられているのはアカホシカメムシの
若虫かなと思うのですが、このサシガメ?の若虫はよくわからないです。幼虫の体色は
成虫と違うものが多いので、成虫写真と比べてもわからないですね・・・
大きめのセセリチョウが吸蜜しています。オキナワビロウドセセリかと思いましたが、白い帯が
ないので、違いました・・・図鑑によると八重山のチャバネセセリ、トガリチャバネセセリの裏翅は
白い紋が消えてこのように無地になる個体もいるようなので、恐らくそうだと思います。ただし
どちらの種かはよくわかりません。自分的には大きめだったのでトガリチャバネに見えますが・・・
スジカバマダラも吸蜜していました。チョウの写真はあまり撮れませんでした。次の奄美では
頑張ろうかな・・・オオカバマダラ的なこの配色を持つ蝶は長距離移動のこともあるので、
ロマンがあります。
北部の方まで行ったら夕方になったので、マングローブに降りました。
シオマネキが盛んに鋏を振り上げ、潮を招いています。本当にたくさんの個体がいました。
豊かな自然を物語る一面でした。
この時期は夜になるとホタルが見られるということで、案内してもらいました。7時半から
8時までの30分間ということでしたが、本当にその時間帯はすごかったです。感動しました。
こちらに迷い込んだものを撮影しましたが、これはヤエヤマホタルです(ヤエヤマヒメホタル)。
短い間隔で明滅していました。彼らは低いところにいました。
少し高いところをキイロスジホタルが飛んでいました。この2種がいるのでした。
こういうホタルは雌雄異形が多いので、メスはどこかにいないかと思ったのですが
地面付近に弱い光も見られます・・・
いました!これがメスではないかと大喜びしたのですが、調べてみたら幼虫でした・・・
ヤエヤマボタルは翅の短いメスで雌雄異形でしたが、キイロスジボタルはメスも同じ
形のようです。後者は奄美にもいるから探してみたいです。
ホタルも観察できて大変有意義でした。ありがとうございました。
5月2日(土)
イワサキクサゼミは嬉しいので、何枚も撮ってしまいました。
やや風が強くていい写真ではないですが、キムネカミキリモドキがセンダングサに来ていました。
左はオスでこの太い股で闘争などを行うのでしょうか?あちこちの花に来ていました。
石垣島最後の写真はこの3センチほどもある大きなハチです。ツマキツチバチというツチバチの
仲間でした。南西諸島以南に分布するハチでした。最後を飾るのにふさわしい種となりました。
また来たいなぁ と思いつつ、島をあとにしました。
戸定の昆虫2009-2に戻る