2009年 5月6〜8日 奄美大島

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 今年2回目の奄美大島で、これで採れないとなると何しに行ったんだということになります・・・
そういう意味では非常に重たい採集ツアーでしたが、開き直っていたからプレッシャーはなく・・・
何とか2匹採集できましたが・・・でもハビタット(生息地)の特徴はなかった・・・



 奄美は連日晴れていました。このように小高い展望台もあるので、あちこちで水平線の丸みを感じることが
できました!これは大和村の嶺山公園からの写真です。

5月6日(水)

 主にその日に撮った写真を出していきますが、関連写真はまとめることにします。

 南西諸島には2種のオンブバッタがいます。一般のオンブバッタは逃げるときにジャンプするだけで
飛ぶことはなく、後翅は淡い黄色です(見る機会はないですが)。そして南西諸島にしかいないのが
このアカハネオンブバッタです。左のメスはちょうどジャンプしたところを撮れたのですが、短い距離でも
このように翅を広げて飛翔します。ですので後翅の赤色が非常に目立ちます。そして飛翔距離もオンブバッタの
比ではありません!このバッタを見ただけで南国にいることを実感できます。右は静止しているオスです。
オンブバッタよりも翅が長いですね。


 石垣島にいたものと同じアシナガバエなのでしょうか?やや光沢が緑一色なので、違う種かもしれません。
でも同じようにストロボの光に敏捷に反応していました(右)オスとメスでは複眼の色が異なるようです。
そうだとすると左がメスで右がオスのようです・・・
 このハエは胴体があまり太くなくて脚が長いからハエっぽくないところがいいです(笑)

    
 ミバエだと思って種名を調べたのですが、こんな特徴的なのによくわかりません・・・。ハエはわからない
ので、ミバエではないのか・・・もう少し調べないとわからないです・・・


  アマミモリバッタの幼虫?たくさんの幼虫が葉をかじっていて害虫化していました!なかなか圧巻でした。
 成虫になったら単独生活なんだろうか?気になりました・・・

    
    
 網でスィーピングしていたらナナフシが入ってきたので戻して記念撮影(笑)種ははっきり
しないので、もう少し調べます。

    
 キボシツツハムシがアカメガシワに止まっていました。地域によって斑紋に変異があるようです。
奄美大島の個体はあまり他と変わらない感じかな・・・本州でも撮影してみます。

  
 アカメガシワの葉の上にきらきら輝く虫がいて、寄り添っている感じだったので、撮影しました。
調べたらミドリナガボソタマムシだそうで、葉が削れたようになっているのは食いあとです。彼らは
どんな生活をしているのか気になります。

  
 コアオハナムグリかなと思ったのですが、違う感じだったので調べたらオオシマアオハナムグリ
という種のようです。これはオスメスで、左の光沢が強い個体がメスで、光沢が弱いのはオスです。
各地の色彩変異もあるようで、こういう変異性のある昆虫を研究するのは楽しいなと思います。

     
 葉に止まっていたので撮影したのですが、甲虫であること以外よくわかりません。誰なん
でしょう?クチキムシとかなのかなと調べましたが、トビイロクチキムシみたいですけど
はっきり断定できません。本州南部以南にいる虫のようです。

     
  ハムシのようかな?でもまだ未同定です。

     
 海岸の植物にたくさんいたゾウムシです。ヒョウタンゾウムシの仲間のように見えるのですが、もし
ヒョウタンゾウムシならこの写真だけでの同定は無理ですね・・・。捕獲すればよかったかな・・・


 夕日のスポットである大浜海浜公園で撮影しました。

5月7日(木)
        
 赤いカメムシがよくいるのですが、斑紋が異なるので、種が多いです。これはコマダラナガカメムシ
でした。本州南部にもいるようですが、南西諸島に多いようなので、南方系の種ですね。

       
 本州にもいるアカスジカメムシがこちらにもいました。近くにセリ科の植物もあったので、そちらに
いるのでしょう。色は若干オレンジがかっていますが、奄美個体群の特徴かどうかはわかりません。

  
 アサギマダラを良く目撃したのですが、とまってくれません。ただ個体数は多く、これから北上する
ところなのかな・・・これらの個体はずいぶん遠くにいて樹にとまっているのを望遠で撮影したものです。
もっと近いところで撮りたかったのですが、今回はダメでした。

 
 テングチョウが縄張りを主張していました。他のチョウが通りかかると追尾していましたが、また同じ枝に
戻ります。この写真ではわかりづらいですが、下唇髭という部分が顔の前方に出ているのを天狗の鼻に見立てて
この名前があります。これは望遠で撮影しましたが、少し離れているので、楽に撮影できました。


 奄美大島で一番多く見られたのはこのツマグロヒョウモンでした。松戸でも多くなってしまったチョウなので、
新鮮な驚きはもう無いのですが、至る所で見ることができました。

   
 左はマイマイガの幼虫にそっくりなものでしたが、言い切れません。マイマイガは東北地方で大発生して
いる地域もあり、樹木に対するものと言うより不快害虫として問題になっているようです。マイマイガより
ちょっと赤っぽいので、もう少し調べてみますね。
 右はホソバセダカモクメの幼虫です。千葉でも長野でも観察できた種でしたが、奄美大島にもいるという
ことは、全国区の種なのかなと思われます。

       
  センダングサに来ているオオハナムグリです。比較的多くの個体を見ることができました。


   この日も夕焼けスポットに(笑)雲一つない天気だったので、美しい夕焼け写真になりました。

     
   夕焼けを振り返ると満月に近い月が出ていました。望遠で撮影すると良い感じに写りました!

5月8日(金)

       
 ハサミムシの仲間ですが、ハサミムシは同定が難しいので、種をしらべてみますが、わからないかもですね。
地面にいて肉食的なイメージのハサミムシですが、花粉を食べる様な種もいますから、植物体上にいるこの
種も花粉食かなと思いました。
      
 ショウリョウバッタもこの時期成虫でいるんですね。南の島はすごいですね。先に紹介したアカハネ
オンブバッタのような別種はショウリョウバッタにはいないようでした。

        
  これはミナミアオカメムシの幼虫です。幼虫はこんなピンク色の縁取りがあるんですね〜感激しました。
成虫もこの畑にはたくさんいたので、撮影しておけばよかったな(笑)

        
 リュウキュウアサギマダラが飛んでいました。留まりそうだったので、追いかけましたが、留まった先は
薄暗い林縁部で、きれいな翅の色には似合わない場所でした。でも過去の目撃でもこんな暗いところにも
いた記憶があるので、そういう性質なんでしょうね。翅を開いたところを撮影したかった・・・


 荒れ地に来て採集したのですが、ツマグロヒョウモンが交尾していました。初めはオスが翅を閉じたり開いたり
していたのですが、その後、メスが翅を開いたり閉じたりしていました。私がさかんに撮影するので絶えず歩行に
より移動していました。その後飛翔して少し離れたところに移動しました。

        
 そこへもう1匹のオスが飛来し、交尾を試みますが、もちろんうまくいきません。しばらくアタックしていましたが、
やがて離れていきました。ここではわかりにくいですが、翅を開いているのが新参者です。

      
 荒れ地の一角では山羊が出産直後でした!この子山羊はまだ立てませんでしたが、この撮影の30分後ぐらいに
立ち上がることができました!お母さん山羊は子供をなめたりして辛抱強く待っていました。

        
      これは前日の夕焼けですが、こんな感じで雲もなくきれいな夕日でした。また行きたいです。


  奄美大島最北の笠利崎からの眺め、左が東シナ海で右が太平洋といういい眺めでした!中央右の影は灯台です。


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