戸定の昆虫 2008-3 (7〜9月)


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 7月2〜13日まで国際昆虫学会があり、これに参加したのですが、その前後が非常に忙しくなり、
このHPの更新は困難になっていました・・・まだまだ手が回らず・・・お待ちください。


7月14日(月)

 国際昆虫学会に出席しました。帰国早々にほ場に出ました。
      
 ハラビロカマキリの幼虫ですが、まだ結構小さかったです。学内には結構ハラビロカマキリがいるので
今年もたくさん写真を撮ると思います。

 ヘクソカズラの葉から隠れん坊している感じ(左)のこの虫はチャイロハバチの幼虫でした。裏から写したのが
右の写真ですが、結構大きな体をしています。その後はもう姿が見えなかったので蛹化したのだと良いですが、
カラタチにいたアゲハチョウの幼虫もみんな消えたのでアシナガバチ等の活動によるのかもしれません。


 白いものがカラタチの枝上を移動していました。よくみるとクサカゲロウの幼虫です。左の写真は右下から
幼虫の大あごが見え、右の写真だと自分の食べた餌のかすを乗せているのが分かります。クサカゲロウの幼虫には
このように自分が食した他の昆虫の死骸などを自分の体に乗せてカモフラージュしている種類がいるのです。
このクサカゲロウはヨツボシアカマダラクサカゲロウのようです。


 帰る途中の道でキラキラ光る昆虫が飛翔していて感激!追いかけたところ草の上にとまりました。あまり
タマムシらしくないですが、やらせではないから(笑)このまま撮影しました。ストロボ使用だと金属光沢が
どうもうまくいきません・・・キラキラ輝く写真を撮れるよう研究しないと・・・つかまえて裏を見たら裏面の
輝きも美しいので撮影しました。

              
   ウマオイの幼虫です。ストロボ強すぎで良い写真ではないけどこの時期しかいないから
   アップしておきます。

           □◆□ アゲハチョウの各ステージ特集 ◆□◆

  
       産み付けられたばかりの卵                1齢幼虫


          2齢、3齢、4齢という感じですが・・・
      
          脱皮したばかりの5齢と育ってきた5齢

  
           前蛹 と 蛹  ・・・羽化の写真はいつか撮りたいですね・・・

               □◆□ ここまで ◆□◆

7月20日(日)

 学内のバラはアカスジチュウレンジが大量発生しています。
   
 この日は産卵個体も多く、あちこちで見られました。左の上の個体はのこぎりのように茎に産卵管を
刺しているのがよくわかります。


  学生寮の脇の樹にキボシカミキリが発生していました。幹には脱出孔があり、成虫は葉を食していたりで
 樹にとってはとんでもない迷惑な事態です。数個体が付近にいましたから脱出後あまり時間がたっていないのか、
 あまり移動しないということはなさそうですけど・・・また様子を見てみます。

         
 飼育していたセスジスズメの幼虫から寄生蜂が出てきました。こういう事も良くありますね。「自然は厳しい」
の一例です。この場合は結構大きいハチだったので気になりました。

          
 今日は夏休み自然観察会でした。説明しながら学内を巡るので、カメラはいらない感じでしたが、
林内で今年もトゲナナフシを見ることができました。この林内に定着しているようですね。多くの
個体がみつかりました。

7月23日(水)


      キマダラカミキリがいました。クヌギとかいろいろか樹にいるようですが、はじめてみました。

     
 ベッコウハゴロモがいました。この個体はかなり淡い色をしています。図鑑によると濃淡の個体がいるようです。
色彩の濃い個体についても撮影してみますね。

7月25日(金)

 アカメガシワの葉にアリがいます。よく見ると葉の一部が蜜腺になっているようです。このように花以外の
器官から蜜を出す構造を「花外蜜腺」といいます。こうして花が咲いていなくても葉に蜜があればアリを引きつけ、
これによって葉を食する外敵から葉を守ってもらおうという仕組みです。ボディーガードのようですね。

        
                      アカメガシワ

        
         葉の付け根の変色した部分から蜜が出ていて、アリがなめています。

7月27日(日)

 自宅周りで観察しました。いくつか見られたのでアップしてみますね。


 樹液に来る昆虫は意外に撮影していません。近くの樹に出ていた樹液にカナブンが来ていたので
大喜びで撮影しました。そしたら今度はクロカナブンがやってきましたが、こちらは地面に降り立っ
たりで樹液にまでは来ませんでした。クロカナブンをみるのは久々なので良い写真ではないですが、
証拠写真的に挙げておきます。


 柵に絡まっている植物の葉がきれいにかじられて巻いて隠れ家になっています。メイガの幼虫かなと
取り出してみたところガの幼虫であることは確かですが、何でしょうかねえ・・・もう少し調べてみ
ます。右が取りだした幼虫です。

      
   戸定にもいますが、サンゴジュハムシです。サンゴジュの葉を削り取って食べています。

7月28日(月)

  少しですが、学内に出ました。
    
     前にも紹介したオオハナアブです。ちょっと休んでいるようでした。


 左はハラビロカマキリで右はオオカマキリの幼虫です。だんだんとカマキリの姿も目についてくるように
なってきています。大きくなった幼虫が目につくのでしょうか・・・

       
 カラスウリ上のクロウリハムシです。かじろうと身構えているようですね。ウリハムシなどはまず
自分が食する葉の部分を陣地を取るように大きく傷つけます。こうして苦み成分などを遮断して
おいしくなった?葉を食べていくのです。こうしたトレンチングという行動を取る昆虫をいくつか
紹介していく予定です。

    シオヤアブ成虫が休んでいます。

  複眼の光り具合がきれいなので
  撮影しましたが、なかなかイメージ通りには
  なりませんね・・・
  この虫に限らずメタリックな昆虫の
  その光り具合については
  まだまだ修行が必要なようです。
  ストロボだと直接当てるよりは
  間接照明的な方が良いのかもですが・・・
  いつか試してみます・・・












7月29日(火)

  この日も単発的にほ場に出ました・・・

 ほ場のツタを食べているガの幼虫がいました。調べてみたらトビイロトラガの幼虫でした。
たくさんの幼虫がついていてびっくりでした。時々灯火でこの虫が見つかるのはしっかり学内で
繁殖していたんですね・・・撮影のために近づくと右の個体のように口から消化物を出して威嚇します
もっと怒るとこれを吐き出すのですが、かなり多くの量を吐き出しちょっと驚きました。
アシナガバチとかに有効なのかは分かりませんが、吐く量が多いから何かの対策になっている
のかもしれません。興味深かったです。
     
   この写真なら幼虫の全体像がわかりやすい?かと・・・色彩に変異がありますね!

7月30日(水)

 あまり撮影していないニイニイゼミの写真です。

  
   ニイニイゼミは小さいセミなので声も小さく、地味な感じがします・・・
   でもあまり認識されていませんが、こうして撮影すると
   なんとも魅力的な形態をしています。
   写真でははっきりしないけど
   色彩も結構複雑で翅も“茶色”という感じではくくれないですね・・・
   この文章を書いている8月下旬ではもう姿は見えないから
   来年またチャレンジします。
   このセミの脱皮殻は左の写真のように土をかぶっています。
   表面に細かい毛があるから土もつきやすいのでしょうけど
   こんなふうに土がつくような湿った環境を好んでいることもあるそうです。
   今は土も硬いところが増え、このセミが育つ環境が減っているのも
   個体数減少の一つになっているのかもしれませんね・・・

8月4日(月)

 8月に入ったので学内に出ました。8月に入っても学生実験などあるのでその準備も兼ねての
散策です。

     
  
ノコギリカミキリです。

  
 ユリノキにエサキモンキツノカメムシがいました。他にも数個体いたことから偶然とまって
いたのではなく寄主植物という扱いなのかもしれませんが、調べていないから不明です。
 バレンタインデイの頃にハートがついた虫としてマスコミに取り上げられていて驚きましたが、
この個体はハートマークの上部がややはっきりしない斑紋を持っていました。

    
 コカマキリの幼虫です。こうして拡大すると親と同じ大きさですが(笑)まだ小さめでした。
でもあと2回くらいの脱皮で成虫かな・・・

   
 まだ明るいのにアブラゼミの幼虫がもう樹を上っています。こんな早くなのにどうして?
天気が悪くなるのかなとか言っていたところ、この日は夕立がすごくいつもの時間の羽化は
困難だったと思います。彼らは微妙な大気の湿度や気圧を感知するのでしょうか?ちょっと
びっくりする出来事でした。

8月5日(火)

 少しずつ撮影しています。
 

 アオスジアゲハがいました。

 いつも速いから写真は撮れないことが
多いですが・・・

 後ろ姿ですけど少し撮影できました。

 良い写真ではないですが、翅の青色が
とってもきれいなのでアップします(笑)














 校舎の壁に張り付いていました。

 シモフリスズメというスズメガでした。

 いろいろな植物を摂食しますが、リストの最初に
「ゴマ」とありました。作物研のほ場のゴマは大丈夫
かな、と気になりました。












8月9日(土)

 「夏休み昆虫教室」を行いました。毎年いろいろ準備も大変ですが、環境ISOの学生委員の
人たちやいろいろな方のご協力でやったあとは充実感があります。その時は説明ばかりでシャッター
チャンスはありませんでしたが、午後にほ場に行きました。

      
 マルハナバチが花に来ていましたが、ちっともうまく撮れないとあきらめました・・・しかし
あとで見てみると奇跡的な1枚を発見!嬉しい限りです。狙って撮れるとすごいですが、これは
もちろんまぐれです(笑)でもこんな写真が多くなればそれは実力かな・・・(笑)


 やはりほ場の園芸品種の花にヒメアカタテハがきていました。この個体は落ち着いてじっくり蜜を吸って
いたからこちらもじっくり構えることができました。

      
 ルリタテハは学内にもいますが、ちっとも写真を撮らせてくれません。いつも飛んでいて
シャッターチャンスは無いに等しかったです。ところが今日は建物の壁にいて占有行動を
取っている?個体を学生が見つけてくれました。写真撮る前にいなくなりましたが、すぐに
飛翔個体を発見!そしたら何と近くの切り株にとまってくれました!見事に翅を開いてくれて
嬉しい写真となりました!まだ美しい個体ですね!同行の学生に感謝!

8月10日(日)

 自宅近くで今年もセミの羽化を見に行きました。今年はあまりセミの写真も撮らずにいます・・・

     
    気管のところが線状に伸びていて気管も脱皮している様子が見えます。
    体から伸びている糸みたいなものが昆虫の呼吸で使っている気管です。

8月12-13日(火〜水)

 3年生の実習で高尾にある森林総合研究所の多摩森林科学園におじゃまして昆虫採集等を
行いました。研究室OBでもある井上大成研究員には大変お世話になりました。


 樹皮にいたイシノミです。樹皮に紛れてわかりにくいです。これまでイシノミはほとんど見たことが
なかったので感動しました(笑)植物質を食べています。


 キマワリが妙にたくさんいました。これほど多くの個体を見たのは初めてです。樹にいて動いているのもいましたが
地面にはっているのもいて笑いました。

       
 ムラサキシジミも多くの個体が見られました。こんなふうに翅を閉じた個体はいつも見られますが・・・

     
 たまにこんな感じで静止してくれる個体もいて!感激の写真を撮ることができました。こうしてみると
美しい翅をしています。園芸でもこんな写真を撮りたいなあ・・・

           
 これは何だかわかりますか?もとはトンボだったのですが、菌に冒され枝につかまったまま
死んでしまいました。そして腹部の関節間膜からこんなふうににょきにょき出てきているわけです。
こういうものを冬虫夏草といいますね。名前はトンボタケです。

8月14日(木)

     
    クサギカメムシがいました。果樹カメムシの写真を撮ろうと思っています。

8月18日(月)

       
いよいよショウリョウバッタのメス成虫も見られるようになってきました。大きい個体は迫力があります。

 餌であるガの幼虫などを探すアシナガバチやスズメバチの姿が目立ってきました。
         
 これはセグロアシナガバチですね。狩りをしているところを撮影したいです。

             
 何気ない葉の一部でカミキリムシが休んでいました。これはナガゴマフカミキリのようですね。
どうしてこんなところにいるのかなと思ってしまいました。でも調べてみたらいろいろな樹に
つくようなので、このカミキリも園芸でたくさん発生しているようです。

8月19日(水)

 合間を縫って学内に出ています。(もう9月中旬ですが、まだここまでしか更新できません)

       
 盛夏の時期は花の蜜が少なくなります。こんなときにこのヤブガラシはあちこちで花をつけてくれるから
貴重な蜜源植物になります。いわゆるやっかいな雑草ですからほ場では嫌われますが、少しは残してほしい
ものです・・・ニホンミツバチが一生懸命蜜を集めていました。

       
     ハラナガツチバチのようなハチも栄養補給は花の蜜ですのでこうして飛んできます。
      
     コガタスズメも自分の栄養源はこうした花蜜ですからさかんになめていました。

      
       コアオハナムグリもやってきてさかんに花蜜をなめています。


    シロテンハナムグリもやってきています。ハエやアブも来ているし本当に賑やかです。

  
 物陰で休む2種、サンゴジュのかげにキボシカミキリがいました。学内でも結構発生しているようです。
またアベリヤの蜜を吸って一休みという感じのホシホウジャクもいました。蜜を吸っているところを
撮影したいと思っています。

        
 ハギの樹にキタキチョウが来ていました。もしやと思って近づいたらやはりメスが産卵に来ていました。
新芽の柔らかそうなところを選んで丁寧に産み付けていました。

         
 学内にもムラサキシジミはいますが、この前みたいに翅を開いてくれません・・・学内の個体でも
きれいな紫色が現れた写真を撮りたいですね・・・

       
 オンブバッタは草にいるというイメージですが、なんとマユミという樹の葉に妙にいました・・・
たくさんの加害のあともあるから摂食していると思うのですが・・・もう少し様子みてみます。
それにしてもこのように前脚中脚で体を支える止まり方!あまりみないのでおもしろいです。

       
 カラスウリは学内に結構生えています。そこに関わる昆虫も多く、おもしろいです。これはウリハムシが
トレンチングしているところです。こんなふうに先ずは葉に傷をつけて液をしみ出させます。こうして苦み
成分を遮断して傷つけた外側(この写真でいう下側)を摂食するわけです。

         
 そんなトレンチングを行うのはこのウリキンウワバもそうです。彼らは葉の付け根をかじって葉を
しおらせ、この中に隠れているとともにしおれた葉を摂食しています。これは葉をめくったわけではない
ですが、こんなふうに姿が見えている場合も多いから、隠れ家という意味合いは絶対的なものではないですね。

 そしたら他のウリキンウワバがアシナガバチの餌食になっていました。
  
       
 私の目の前で獲物を探していたセグロアシナガバチがカラスウリの葉裏にいたウリキンウワバを
発見してすぐにかみつきました。左上の写真は葉裏から引きずり出した直後です。このあとすぐに
安定した場所であるウリキンウワバの隠れ家の上部に引っ張り上げ、噛んでいます。先ずはよく噛んで
消化管の内容物を全部出しています。これを十分に行い、幼虫の体の部分だけを肉団子にして
巣に持ち帰るようです。確かにすぐに肉団子にしたら消化管の中身が入ってしまうから良い肉団子に
なりませんよね・・・すっかり感心してしまいましたが、夕方遅くなり蚊の猛襲がすごくてこれ以上の撮影は
困難と判断し(笑)あとにしました。
 というわけでアシナガバチの狩りの様子を撮影することができました!

8月20日(木)

 
 今日も出てみました。オオスカシバが校舎前のアベリヤに来ています。このアベリヤは花が咲く頃にがんがん
剪定されるので(笑)昆虫にとっては災難です。でもこうしていろいろな虫が来てはいます。もっと来るには
もう少し花があると良いのですが・・・



ミツカドコオロギの写真が撮りたかったので嬉しいです。こんな風にお面のように頭の前はなっているんですね。
前はなかなか見えないのではと思ってしまいます。

  
      
 成東の方で夜間採集をしました。チビサクラコガネ?と思うような個体がいますが、よくわかりません。
きれいなコガネムシもいいなあと思ってしまいます。ツヤコガネ?数種来ていました。

8月22日(金)

 B棟前にあるシナサワグルミはまだ健在です。そこの下にシャチホコガがいました。こんな樹にもつくのですね。


 結局は威嚇の姿勢が多くなってしまいますが、歩いているときは結構のそのそしていました。どうしてこんなに
胸脚が発達しているのか・・・おもしろいですね。

          
 アカスジキンカメムシの幼虫がいました。もうすぐ成虫になりそうです。成虫の写真も撮っておきたいな。

8月23日(土)

 毎年参加している日植防の観察会ですが、今年は秩父でした。寒くて雨模様で残念でしたが、夜間採集で蛾が
たくさん来ました。本来なら別ページでたくさんお届けしたいですが、更新がままならないので今年はこのページで
重要なものだけアップしておきます。

      
 講義で長く説明する婚姻贈呈ですが、初めて見ることができました!ガガンボモドキですが、左のオスが
メスに自分が採ってきた餌を分け与えています。しかし教科書のようにメスに完全に渡しているのではなく
一緒に摂食しています。その後、みんなが写真撮ったりしていたらメスは獲物を放してしまったのですが、
オスはその後も餌を摂食するし、交尾も続いていました。教科書通りではない駆け引きもあるのかも
しれませんね。オスは夜間採集の幕や周辺にたくさん来ていてみんな獲物を持っていました。後脚で獲物を
保持していて獲物が騒ぐと口吻に持って行き、かじっているのかおとなしくさせていました。

 これからも婚姻贈呈の写真を撮りたいものです。次はオドリバエかしら・・
 
          後脚に引っかけて獲物を保持しているオスのガガンボモドキ。

       
 ゴマフキシタバのようです。シタバは後翅が見えないとおもしろくないので写真撮るのも苦労します。

       
 これはムクゲコノハですね。アケビコノハと並んで果実吸蛾類です。こうしてみるときれいな蛾なのですが・・・

         
 日の丸模様の愛国心あふれるこの蛾はマルモンシロガです。一度扱ってみたい昆虫ですね。郊外の土地には
比較的みられますが、都心部にはいないです。

             
 餌を捕まえたキカマキリモドキです。こうしてみるとカマキリと同じに見えてしまいますね。
進化の不思議を思ってしまいます。

8月29日(金)

 これは長野調査の一コマです。

        
 アカスジカメムシはセリ科の植物にみられます。これはウイキョウに来ていました。赤いスジが
ちゃんと出ないとつまらない写真になるので、これは比較的いい色になりました。
     
      夜間採集にやってきたツノアオカメムシです。美しい金属光沢にうっとり?しました。

            
 交尾中のキアゲハです。でも近づくと逃げてしまい、あまりよい写真は撮れませんでした。残念・・・

9月2日(火)

 少し省略した感もあってすいませんが、9月になりました。9月16日に更新しています(笑)。

      
  クマバチが花にきています。ハチの黄色と花の色が同じ感じで面白かったので、写してみました。
9月の写真もいろいろあるので公開していきたいですが、今週はもう時間がないと思います・・・涙

9月4-5日(木ー金)

 静岡大学の皆さんと合宿を行ったのですが、あまり良い写真は撮れませんでした。夜間採集も
こなくて・・・でも合宿というか交流は良かったです。またよろしくお願いいたします。

          
 場所となった熱川の敷地内には結構大きくなったキイロスズメの巣が!ここまで大きくなる前に
取り払われることがほとんどですから大変すいませんが嬉しかったです。昼間(夕方)はこんな感じ。

        
 夜間に見に行ったらみんな巣に入っているのではなく、昼よりも多くの個体が巣外に出ていました。
暑いのかしら・・・それとも天敵に対する防衛?詳細はわかりませんでしたが、ちょっと意外でした・・・
あと、昼間では巣の一部が黒っぽくなっていましたが、夜間は皆同じ色です。黒っぽくなっていたところは
まだ巣の壁を塗り立てのところで、乾いていなかったわけです。自分の唾液と削り取った樹を混ぜて
塗りつけていくわけですが、この巣は外壁工事中のようです。つまりまだ増築しているようですね。
表面がまだでこぼこしているからもっと大きくしようとしているのでしょう。

   
    窓に来ていたウマオイです。脚の棘が肉食性であることをアピールしていました。

           
 ライトにケラが来るとは思わずちょっとびっくり!翅もあるから走光性もあるのかしら・・・


       熱帯植物園に行き、そこで見かけたチョウ2種、先ずはイチモンジセセリ・・・

             
            そしてキタキチョウ・・・熱川の土地柄が生きていません(笑)

         
 大学に戻ってくるともうヤブキリの声は少なくなり、アオマツムシが増えてきました。この個体は
学生が捕らえたもので、ずるい写真ですが、樹上で多くの個体が鳴いています。

9月10日(水)

 学内に少し出ました。

        
 シダを食する蛾であるツマキリヨトウですが、やや翅がねじれている個体ですけど、恐らく
ムラサキツマキリヨトウという種だと思います。翅の先端が切れたようになっているからこの名が
ありますが、夜間採集ではこの蛾やマダラツマキリヨトウなど親しみのあるグループです。
 夕方の学内で活動し始めようとしているところのようでした。

9月11日(木)

 ほ場の周囲にカラムシというイラクサ科の雑草があるのですが、アカタテハの食草としても
有名ですけど、うちのカラムシはフクラスズメがすごいです・・・

  
    
      
 幼虫を見ていると体色に変異があるようでした。上から黒みが一番強い個体、真ん中は
体の背面などが白みがかる個体、下の個体は黒い部分が気門線のあたりしかない個体です。
遺伝的なものなのかもですが、注意してみてみたいです。

     
 こうしてバリバリ葉を食しています。この幼虫はハチなどに襲われているのを見ていません。
体を揺らして威嚇するような行動学的な面とかカラムシの成分がハチとかにいやなのかよく
わかりませんが、これもおもしろいところです。
     
 そんなわけで餌が少なくなり密集しています。足りなくなったりしないと良いですが・・・

9月12日(金)

     
 朝、やや翅がかけていましたが、ナガサキアゲハのオスがアベリアで蜜を吸っていました。
今年はナガサキアゲハが少ない気がしていましたが、この時期になるとかなり目立っています。
ツマグロヒョウモンも多くなってきているようです。

       
 カラムシはたくさん生えているからさすがに坊主にはならないようです・・・ふと葉上を見ると
キマダラセセリが休んでいました。学内のセセリチョウでは気に入っている種なので嬉しかった。

9月14日(日)

 前からの約束で房総のオオキンカメムシを見に連れて行っていただきました。主催者の昆虫マニアの
方に感謝です。

 成虫の紫に輝くのもきれいですが、幼虫の輝きもなかなかです。アブラギリという植物を初めて認識しました。
こんな美しいオオキンカメですが、飼育はアブラギリの実以外の代用食では羽化までいってもすぐに死んでしまう
ようで、飼育のプロでもある主催者の方もお手上げだそうです。講義とかのために少しもらってきましたが、春に
返してあげるのも良いかなと思っています。

9月17日(水)

 長野の調査もいよいよ大詰めです。調査中なのにいろいろ写真撮ってみました・・・

       
 まずはブチヒゲカメムシ。周辺の植物にもついていましたが、レタスにもついていました。よくみると
渋い配色をしています。

      
      
 レタスをかじるド派手な幼虫はホソバセダカモクメです。キク科の植物を食べるという記載なので
レタスを食べていても良いのですが、これまでそういう報告はないので害虫化ということになりそうです。
レタスの乳液がいやなのか成分にいやなものがあるのか一度かじって(上の写真)その上部を摂食して
いました。被害が多くなるようなら基礎的な研究をしていこうかなと思いました。


 こちらはセルリですが、なんとオオタバコガの幼虫がかじっていました。試験場の人の話だと初めて見るそうで、
こういう新たな作物への進出はいろいろ起こっていくのかもしれませんね。

       
            そのオオタバコガの成虫はレタスに潜り込んでいました。

       
 調査を終えたらサクラの木の幹でツノアオカメムシが交尾していました。色がきれいですね。たくさん
ストロボを当てたら逃げたいのですが、2匹で行く方向が合わず、引っ張り合いをしていました。


       このカメムシは裏が白くて目立っていましたが、種名が・・・なんだろう・・・
           一番似ているのは、クサギカメムシなんですが・・・淡色系とか・・・

9月18日(木)

 毎日あちこち行っていますが、今日は雨天でしたが緑地環境の研究室の実習に同行し千葉県南部で
昆虫をみてきました。水生昆虫がメインでしたが、雨で大変・・・私は中にも入らずずるい人でした(すいません)。
それでもいろいろ写真は撮れたので、紹介します。

     
 私はこれまでヒナカマキリをみたことがありませんでした。ですので見つけてくれた学生さんに感謝です。
小さいながらも気の強さみたいなものが伝わってきます。とっても嬉しい出会いでした。
       
    全体像はこんな感じ。2センチほどでした。学内にもいるのかどうか探してみたいと思います。

  
   オオカマキリもいました。じっと獲物を待っていましたが、顔を見ると恐ろしい感じもします。

      
 水生昆虫は多くなかったですが、砂地の流れにはオニヤンマのヤゴがたくさんいました。こういう流れを
中心に保全や再生を考えればいいのかなと思いました。しかし晴天でないと他の昆虫がわかりませんね。
午後は少し晴れたのでアゲハの仲間が結構飛んでいました。他のチョウも気になります。

        
 アカサシガメがいました。昨年結構必要としていたのですが、見つからず・・・こういうときには
いるモンですね(笑)捕食しているところとかも撮ってみたいです。

     
 雨に打たれた葉をみたらアオドウガネがいました。葉と同じような色をしていますが、光沢がきれいです。
そして体に乗っている水滴の色は鮮やかなグリーンで感激しました。

            
 海から近い場所だったのでアカテガニがたくさんいました。樹の隙間とかくぼみとか至る所に
隠れています。樹の隙間の奥を撮ったら3匹隠れていましたが、目はしっかりとこちらを
見据えています。

9月21日(日)

   
  カラムシを見に行ったら葉が葉脈だけになっていました・・・でも個体数が減っていて
もう蛹になるために草を離れたと思います。まだ残った個体は葉を探していました・・・
 でもまだたくさんあるから大丈夫そうです・・・

  
 ほ場の一角にあるクヌギの樹から樹液が出ていると教えてもらいました。早速行ってみるとまだ
カブトムシメスとコクワガタという夏の昆虫がいたからよかった!これから定期的にお届けします。

      
    写真に撮ると樹液が出ていることがわかります。コクワガタも餌にありつけそうです。

    
 と思ったらそのコクワガタを蹴散らしてルリタテハが餌場を独占しました。コクワガタかなり弱くて
びっくり・・・(笑)

9月24日(水)

 成東で調査したました。海岸近くですけど今回はライトトラップには何もかからず・・・でも周りには
秋の虫がたくさんいました。特にマツムシとスズムシの多いこと!野生のものは初めて聴いた感じで
嬉しく思えました。トラップには注意せず(笑)秋の鳴く虫を探したりして・・・

          
 今回は一眼デジカメを忘れ・・・こんな写真ですが・・・鳴いているカネタタキです。

    
 そしてマツムシです。多くの個体がいましたが、みな草の少し中に入っていてそこで鳴いていました。
枯れ草も多い場所なので体の色が効果的でした。この個体は光に驚き翅を下ろしてしまいましたが、
鳴くときは翅を立てていました。

9月28日(日)

 久しぶりに自宅付近を散策しました。

     
 たまたま下を向いた花にやってきたニホンミツバチは蜜を探しているものの勝手がわからないようでした。

  
          そして飛び立っていきました。花から花粉がこぼれました。

        
 きれいな写真を撮ろうと先日のマツムシを連れてきてしまいました。きれいに写りましたが、逃がすわけにも
いかず・・・こういうときは申し訳なく思います。

       
 イチモンジセセリかなと思ったらチャバネセセリでした。近づいてもじっとしていました。少し寒くなった
せいかな・・・   
    
    ヨウシュヤマゴボウや彼岸花も色づいています。もうすっかり秋ですね・・・・


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