戸定の昆虫 2008-1 (1〜3月)


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 今年も冬の1月からスタートです!更新は焦らずするしかないですかね…


2008年1月8日 

 学生実験で時間ができたので、昨年の菰巻きの様子をみてみました・・・結果は…?
結論からするとほとんどいなくて…ちょっとがっかりでした。次年度は場所を変えて頑張る
ことにします。これで次年度の楽しみもできました。


 エサキモンキツノカメムシがいると嬉しくなります。数が少なくてもこうして寒さに耐える
昆虫をみるとやはり感動します。

   
 もっとたくさんいるかなと思ったテントウムシはこの2種2匹だけで…ちょっと意外です。
次年度に期待するかな…

    
 ヨコヅナサシガメの幼虫ですね…サクラではなくエンジュにいました。数は
少なくても最低限は見られたので、まあ…いいかな…

2008年1月14日

 成人の日でしたが、恒例のフユシャクツアー(今期2度目)に出かけました。結構寒かったのですが、
風もなくコンディションはばっちりでたくさん観察できました。実は今年で3シーズン目ですが、
これまで見つけていなかったメス個体と交尾個体を探し出すことができたので、かなり満足です(笑)
目的が無くなったと思いましたが(笑)、まだ見ていない種とかも多いので、これからも行って
みます。そろそろ園芸でも見られるかな…

   
 これが私が発見したウスモンエダシャクの交尾個体です。ようやく見つけることができて大変満足
でございました!今回は若干参加者が少なかったというのが私も見つけることができた一番の要因
なのではと思ってしまいます(笑)
←これもウスモンエダユシャク
  
  上記はどちらもコナミフユナミシャクの交尾個体です。樹やササにもいてびっくりしました。
  ウスモンエダシャクよりはやや遅い時間に交尾しているようです。


 こちらは多く見られたウスモンエダシャクのメスと右はウスバフユシャクのオスです。翅に紋があります。
  
  こちらはコナミフユナミシャクのオスかな?右のメスはちょっと不明です…
      
     こちらはカオマダラクサカゲロウです。結構通路の柵についていて数匹見かけました。
    いったいどうしてこんなところに出てきてとまっているのでしょうねえ…

2008年1月22日

 昨日は大寒でしたが、暦どおり寒い日が続いています。でもこのまま更新しないのではまずいから
学生実験で外の昆虫探しを行いました。いきなりの提案にも関わらず3年生がいろいろ探してくれた
ので、写真を載せることができます。どうもありがとう。

          
 石をひっくり返したらハサミムシがいました。動きは鈍いもののストロボ光に反応しすぐに
隠れようとしていました。よく見ると水滴がついていますね。


 木の枝に引っかかっていた紙切れを開いたら中にヒメカゲロウがいました!チャバネの仲間
かな…こういうものを利用したりするんですね…風も防げていい環境だったのかも…

 ここから下はこのところ恒例の?倒木中の越冬昆虫です。林の下の倒木にはこんなにいろいろ
いるんですよ。冬の昆虫観察もおもしろいので、企画したいですね。


 アリのコロニーが出てきて動きは鈍いですが迷惑そうでした(ごめんなさい)。検索図鑑は
ありますが、種は同定していません。

      
 こちらはシロアリです。ヤマトシロアリかな?シロアリの方が動きはやや活発でした。もっと
暖かくなったら拡大して写真も撮りたいと思いました。忘れないようにしないと…

 
 恐らくコクワガタの幼虫ですね。これだけは学生が喜んでもって帰りました(笑)室内で飼うと
どんどん成長してくれます。大きな成虫になるといいですね。

 メス成虫もいました。コクワガタは数年生きるから成虫も越冬するためにこうした倒木に
来るようですね。でも越冬中のオスは見たことがないなあ…

    
 ミイデラゴミムシに似ているけど翅に斑紋がないので違う種のゴミムシです。4〜5匹が
まとまって越冬していました。わらわらと動き出し、お尻からガスを噴射していました。
寒いから湯気が出たようになっていておもしろかったです。


 今年もたくさん掘り出しました。コガタスズメです。昨年は刺されたので(笑)今年は
あまり触りませんでした。よくみると触ったりするとお尻を動かし針を出し入れしているから
やはり刺される危険性はあるんですね。昨年刺された事件は学部生の時に新年2日から友人が
飼育していた蚊に刺された(笑)のと同じような感覚になりました。
       
        
 こんなふうにちゃんと自分の越冬部屋を削って作るんですね。たくさん堀り出してしまいました。

   
 こちらはキイロスズメです。いつもキイロスズメの方がすごく少ないです。違う種が出てくると
嬉しい(笑)

    
 最後は昆虫ではないですが、ムカデです。こんな状態でないとゆっくり写真も撮れませんね。
のそのそながらも結構早く動いて木の裏側に隠れていきました。

 というわけで一番寒い時期に越冬昆虫の写真でした。次は・・・活動し始めた昆虫も撮りたいが…
しばらく忙しいのでもう少しかかると思います…

2008年1月28日

 学内でもフユシャクを観察しました。写真は撮ったのになかなかアップできなくて…今日、(1/31)
事務の方々に「更新します」と宣言したから、一応約束は果たしましたが、遅くなってごめんなさいです。
 いろいろな人に見ていますと言われると有り難いです。よろしくお願いいたします(笑)



 6時過ぎにウスバフユシャクがたくさん飛びました。オスしか見られずメスは次回にお預けです。
園芸学部でも冬の夜はフユシャクという興味深いガが飛んでいるので、帰り際にみてくださいね。

2008年1月31日

 もう一度見に行き、今度は無事に学内でもメスを見つけました。学生が見つけましたが…
今度は交尾個体をみたいものです。


   こちらはオスです。サクラの木にとまっています。

    
 そしてメスです。性フェロモンを出しています。翅が全くありません。今度は
交尾個体の写真を撮りますね。

2008年2月5日
 昨日の朝、雪の路上で転倒し腰を打ったのですが、今日になって違和感が増し、かばいながら
歩いていました。その影響か授業で外に出た際に階段から転落・・・体の不調は増しました。
 また残念ながらカメラとストロボを強打し、カメラは大丈夫そうですが、ストロボを破壊して
しまいました…(涙)明日念のためカメラも含めて修理に出すので、しばらく更新不可能となります。
お許しください。 復帰後にまたお会いしましょう…

2008年2月18日
 カメラ復帰しました!まずは写真と思ったのですが…昆虫はいなかった…
 
 圃場にあったモグラ塚です。だんだん春の足音が近づいてきました。
 カメラもある意味リフレッシュし、ピント調節などもしていただいたので、これで
大丈夫!今後は気をつけてまたいろいろ撮影していきます!

2008年2月20日
 越冬している昆虫を探しました。前回見つからず逆に転倒してカメラを壊した某所に行きました。
今回は「意外に低いところにいるのでは」と見たところ…いましたあ(数は少ないが)…

 ナミテントウの一応集団越冬です。でも撮影後にもう一度見に行ったら移動していました。
もうすぐ動き出すかな?

 動き出すといえばB棟前の植え込みのところに巣を作ったクロヤマアリがもう活動しています!
ガラスの照り返しで地温が高くなっているのだと思われます。 でももう春も近いかな!
  
    みんな後向いているが…(笑)外はまだ寒いから活動範囲は狭そうです(笑)。

2008年2月25日
 今日は入試だったのですが、午前中は学生のトラップ調査があったので、カメラを持って圃場に
行きました。この2日間は強風ですごいことになっていましたが、今日は穏やかです。

          
 強風で圃場の一角にかき集められた落ち葉からナナホシテントウがはい出てきたのを学生が
見つけました。ちょうど落ち葉にあいた穴から下に出てきた草の葉が写っています。目覚めた
テントウムシが窓から春の景色をのぞいているように見えました。ちょっと表現が詩的過ぎま
すね…(笑)
        
 もう1匹枯れたキクの葉に上っていました。前の個体もこの個体もそうですが、翅に細かい
ゴミがたくさんついています。落ち葉にいて強風で撹乱されたからついたのか、この時期の
テントウムシはこんな感じなのかは分かりませんが、ちょっと前のナミテントウもゴミがついて
いますから動かないこの時期のテントウムシは翅は汚れてしまうんだと思います。活動すると
またつやつやになるんでしょうね。だんだんと春も近づいているようです。

 入試が終わり、強風で2日間延びてしまったフユシャクの観察会に出かけました。暗い中、
学生さんを待たせてしまい申し訳なかったです・・・私が着いたのが遅かったので、もう
ほとんどみられませんでした。数匹採集しただけでシャッターチャンスは無かったです。
それで他の生物を撮りました。
        
 これはオオクモヘリカメムシです。結構寒いのに木の柵に止まっていました。寒くて動けない
というよりはもう少し積極的な感じがしましたが、ネムノキについていてカキやミカンにもつく
果樹害虫の一員になっているようです。今はないしなあ…やはり動けなくなっている状況なのかな…

         
 一見ナナフシ?と思いますが、脚が4対あり、糸にぶら下がっています。これはクモの仲間で
ハラナガグモという種です。スジ状の糸にぶら下がっていてこの糸を伝ってくる他のクモを捕食
するという食性を持っています。クモを食べるクモというのは他にもいるそうで、クモの世界も
興味深いなと思ってしまいます。今は活動していましたが、脚をピンと伸ばして休んでいる時は
棒にしか見えません。面白いクモですね。
 図鑑を見ると5〜8月にみられるとあったのですが、この時期の記録も他にあるようですから
新知見ではないけどまだまだ分かっていないこともあるのかもしれませんね。

2008年3月5日
 今日は啓蟄です。つまりこの頃になると冬ごもりしていた虫たちが姿を現すということですが、
今日の日中はそんな天気になりましたね。風はやや冷たかったですが、日差しは柔らかで、なんと
モンシロチョウが飛んでいました!でも撮影できず…(残念)…それでおしまいでは申し訳ないから
いくつか紹介します。

         
 半旬ごとに確認している野外の性フェロモントラップですが、キクキンウワバの第1号が捕獲
されました!近年は2月にも誘引されたのに、寒かった今年は今日が所見となりました。粘着
板に張り付いた形ですいませんが、一応今年初ということで…

     
 ほ場にはオオイヌノフグリとヒメオドリコソウが結構咲いています。ナナホシテントウを探したら
直ぐにたくさん見つかりました!まさに啓蟄です。他の個体はすべすべでこの前のゴミがついた感じ
ではなかったですが、この個体はオオイヌノフグリの花粉が付いていました。

         
 B棟前のクロヤマアリの巣は盛んに活動しています。ハエトリグモの死骸を運び込んでいました。
ハエトリグモの単眼がきれいに並んでいるのがわかるので嬉しい(笑)クモは昆虫のように細かい
眼が集まった複眼ではなく、こうした単眼がいくつか集まった眼をしています。今度ハエトリグモ
のアップの写真を撮りたくなりました。
 春はだんだん近づいていますね。

2008年3月15日
 今日は外に出たら暑いくらいです。いよいよ春が到来したという気がしました。越冬していた
キタテハやキチョウも飛んでいましたし、羽化したモンシロチョウも飛んでいました。春の使者と
して撮影したかったのですが、ちっともとまってくれません。他の仕事も山積みなので仕方なく
ほ場をあとにしました。他の昆虫をちょっとアップします。

       
 ヤマトクサカゲロウは成虫で越冬します。越冬する時は写真のように褐色になっています。
もうしばらくすると緑色に戻るので、そういう意味ではこの時期にしか撮影できないものと
なりました。飛翔も活発で春の訪れを喜んでいるようです。

     
 マエアカスカシノメイガは早春から晩秋まで出現する種なのでこの個体は新成虫です。翅は
きれいでしたがややゆがんでいました。チョウはすぐに行ってしまいましたが、こうしてとまっ
てくれるのは嬉しいです。これからは春の写真をたくさんお届けしたいものです。

2008年3月22日
 やや寒が戻りましたが、また暖かくなったので、学内に春の材料探しに出ました。チョウの写真は
今日も目撃したもののダメでした…
   
 ツマグロオオヨコバイです。この虫は越冬するので春の便りではないかもですが、色合いから
バナナムシとか呼ばれているそうで(私は知らなかった)、子供たちにも人気のようですが、写真
撮っていなかった気がして撮影してみました。あとはウメやオオカンザクラにニホンミツバチが
訪花しておりこれも撮影したかったのですが、時間の関係上あきらめました。

2008年3月23日
 今日も日中は暖かく、久しぶりにカメラを持って自宅付近を散歩しました。戸定ではないですが…
 
 東漸寺の枝垂れ桜はいつもはソメイヨシノより1週間程度早く咲きますが、今回はまだ3分咲きくらい
かな…見ごろは来週半ば?今年はソメイヨシノよりやや早い程度ですね。

         
 やっとモンシロチョウを撮影できました…やや痛んでいますが、今年初というのも嬉しいものです。
モンシロチョウでもいろいろ撮影していきたいです。


 マサキの生け垣をみたら新芽が出ていたからもしやと思い観察すると、やはりミノウスバがもう孵化して
いました。この時期の幼虫が集団で新葉を削るように食べるので葉がしおれたようになってしまいます。
この写真でも色が薄くなって丸まっているのが食害部分です。今が一番害虫という感じに見える時ですね。
早くから撮影できて満足しました(笑)

     
 ハナダイコンに来ているセイヨウ(西洋)ミツバチです。色がやや黄色っぽいのでこれは洋種のミツバチ
なんです。どこかで蜜を取るために飼っているのか野生化しているのかは不明です。


 菜の花にも来ていました。みな後脚に黄色い花粉ダンゴを付けています。蜜を吸って花粉を集めいよいよ
大忙しとなっているようですね。撮影した北小金付近はセイヨウミツバチしかいませんでした。

   
 自宅付近はニホンミツバチがいました。上のセイヨウに比べると色が黒っぽいのがわかりますか?
これはトウヨウ(東洋)ミツバチの亜種でニホンミツバチという和名が付いています。もともと日本に
いる種ですからスズメバチとかに対する適応力がついている種です。でもスズメバチは強敵ですから
やられてしまいますけどね…
 
 嬉しいことにニホンミツバチだけは飛翔している個体がきれいに写りました。セイヨウミツバチも
撮影したのに全滅でしたが(ピント外れ)、この2匹は撮れていて…ニホンミツバチの方が飛翔が
ゆったりなのかな…彼女たち(働きバチはメスですから)は花粉団子はつけていませんでした。
左の個体は胸とかの毛に花粉がついていることがわかります。彼女たちの各脚にはこうした体毛に
ついた花粉を後脚の花粉バスケットに集めることが出来るブラシや刷毛の役割をする機能が備わって
います。

 26日から学会があるので3月の更新はこれが最後かな…


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