戸定の昆虫 2015-4 (10~12月)
更新がままならないので、飛び飛びにしていきます・・・たまにスクロールしてご覧ください。
12月 26日 (土)
いろいろあってテンションは下がっていましたが、恒例のフユシャク観察に行きました。しかしフユシャクは
メスが見られないという初めての事態にびっくりです。
目的だったチャバネフユエダシャクは、オスしかいませんでした・・・今年は暖冬で発生が遅れている
のか・・・というのは、あれほど見つかるウスバフユシャクが1匹もいなかったのです・・・
ナミスジフユナミシャクと思われるオスもいましたが、新鮮な個体でメスもいませんでした・・・
ということでフユシャク関連はこの2匹だけです。びっくりでした。
もう1種小さなガがいましたが、フユシャクではないようです。口吻を伸ばして水を飲んでいました。
ではここからは越冬昆虫の写真となりますが・・・
なんとカネタタキがいてびっくり!しかもオスです。もちろん彼らは成虫越冬ではないので、この時期でも
まだ生きているということで、今年の暖かさが実感できます。いつも見かけるときは、植物体の隙間等に
隠れているので、思いがけず全身像が撮影できて良かったです。学生の話だと、他の場所では日中
ヒナバッタが鳴いていたそうで、まだ11月の昆虫の発生状況という感じです。
これはスズキクサカゲロウです。彼らは成虫越冬なので、この時期に見られる昆虫ではあります。
ヤツデに吸蜜に来ているのはヤガでしょうか?これは種名調べるので、少し待ち下さい。
成虫越冬の代名詞的なヨコヅナサシガメですが、今年は樹の洞ではなく、樹の表面のくぼみにいました。
それだけ寒くないから、こんなところにいるのかは不明です・・・
冬場にチャタテムシもよく見られます。黄色い眼をしたこの薄茶の種は初めて見ました。しかも
偽瞳孔がはっきりしていて、本当に瞳があるようです。種名を明らかにするのは難しいかも・・・
翅に紋があるこの種は見た気もしますが、これも種名はわからないかな・・・
毎年見事な隠蔽擬態を見せてくれるキノカワガですが、今年は白い地衣の近くに白っぽい個体が
いました。でも少し色が違うので比較的簡単に見つかりました。
この個体も、もう少し離れたところにある地衣の中なら目立ちませんが、コケのところだと
すぐわかってしまいました。
これは、地衣を食べていて地衣を身にまとうシラホシコヤガの幼虫が作った繭です。
蛹越冬のようです。
カメムシもいました。これはクサギカメムシの成虫です。成虫越冬ですが、活動するほど暖かいのかな・・・
これはヒゲナガサシガメの幼虫です。これも毎年見られます。成虫の写真を撮っていない気が・・・
シャクガの幼虫が歩いていました。頭が大きく脱皮直後なのか、食べていないモードなのか・・・
種名はお待ち下さい。
これは毎年見られるキドクガの若齢幼虫です。この柵に多いので、冬の間は地衣やコケを食べている
のかななんて思ってしまいますが、もちろんわかりません。
最後はカゲロウの仲間ですが、お椀のような(ドーム型の)複眼が上向きに付いていて不思議な形態です。
でもその根元にも茶色い複眼が付いていますね。接写リングを持たずに来たので鮮明に撮れず残念。
またの機会にクリアに紹介します。でも上向きの眼は異性探しに役立つのか?ロボット的な形態でした。
12月 19〜20日 (土〜日)
ムラサキツバメの集団越冬の写真を撮りたくて出かけました。あちらこちら探してみましたが、集団越冬は
見つかりませんでした・・・残念・・・でもいくつか写真を紹介します。
越冬ではなくすす病となっているもとの甘露を吸っている、つまり活動しているムラサキツバメは
いましたが・・・翅も一部切れていて残念・・・
ムラサキツバメはオスに金属光沢の青紋がないそうで、あとで調べてびっくり!これはやや痛んでいるものの
ムラサキツバメです。これも日光浴していてすぐに飛び立ってしまいました・・・ということで・・・撮れた
のは晴れているときの活動個体でした・・・
翅を広げて日光浴している個体がいましたが、美しい個体なのに尾状突起がありません。ということは
これはムラサキシジミですね・・・金属光沢部分が多いと思ったらこれはオスなんですね・・・始めてオスの
翅を広げた写真を撮りました。きれいです。
そして少し青い部分の面積が小さいのがメスですね。これまではメスだけしか撮っていなかったので
嬉しいが、ムラサキツバメが撮りたかったなあ・・・
これは年取った個体のようですが、ルリシジミですよね?だとすると、蛹越冬のはずだからこんな時期に
成虫がいるのは腑に落ちないが・・・これも暖冬のせいか・・・
この時期なら、もうどこかに隠れていると思うツチイナゴ・・・活動しているのでしょうか?
というわけでメインの収穫はなかったですが、また探しに出てみます。
12月 14日 (月)
西千葉の屋上はらっぱは、規模を縮小することになり、今日は大々的に撤去作業でした。作業の合間に
石を持ち上げると、その下で越冬するヒメスナゴミムシダマシらしき個体を見つけました。成虫越冬なんですね。
どんな生活史なのか気になります・・・
12月 13日 (日)
松戸の公園にバッタの越冬調査に行きました。あいにくの天気のなか土を掘ったのですが、成果は得られ
ませんでした・・・残念・・・帰り際に壁にとまっているクダマキモドキを学生が見つけました。サトにしては
小さかったので気になっていたら、ヒメクダマキモドキのようです!海岸付近に多いと書いてあったが、もう
松戸にもいるのですね・・・
成虫越冬ではないと思うが・・・暖冬だからかな・・・
12月 1日 (火)
12月に入ったので何か残そうと(笑)学内をみました。エノキの葉が残っていたので、アカホシゴマダラが
まだいるのではないかと見てみると・・・
幼虫はいませんでしたが、葉裏にルリチュウレンジのようなハバチが・・・もう時期ではないが・・・
まだ生きていたのかな・・・
マサキに産み付けられたミノウスバの卵です。今年は成虫の写真も取り損ねました・・・
では12月はあまり撮らないと思うので、春から秋の更新作業をしたいものですが・・・
期待せずにお待ちください。
11月 30日 (月)
もう今年もあと1ヶ月ですね・・・更新できない分はどうしようかと思ってしまいますが、少しずつでも
頑張ります・・・
久々にカメラを持って学内に出ました。先週末から寒くなったので何かいるかなと心配でしたが・・・
なぜかまだ生育期のヒマワリが植わっている100周年記念花壇ですが、そのヒマワリを摂食していた
ドクガ幼虫です。もう少し調べて種名を出したいですが、今の時点では不明です。
学内にたくさんいるアカスジキンカメムシの終齢幼虫です。今月はあちらこちらに見られましたが,
これから落ち葉の下にでも隠れるのでしょうか・・・元気に冬を乗り切ってほしいものです。
11月 20日 (金)
今年は飛び飛びで更新しておくので、気になる人はすいませんが下へスクロールしてご確認ください。
どこを更新したかの情報も出すことにしますが・・・
今日は先週出来なかった屋上調査を行いました。
ガガンボばかりが目立つ調査でした。ガガンボの種名はわからず・・・それで1匹だけこのトリバガが
いました。トリバガは翅を広げるとクジャクの羽ような形態をしているのですが、とまると折りたたんで
しまうので、このように「Tの字」のような形態だとどうも図鑑と照らし合わせてもわかりません。
エゾギクトリバのような感じですが、色がやや薄いので断定できませんねえ・・・他の写真と比べたら
ブドウトリバのようです。ガーデンにはブドウ科の植物あるし!
ゲッケイジュについているルビロウムシです。びっしり付いていてこれでは来年大変だと剪定しました。
一部の枝では、ルビロウムシとツノロウムシが混生していました。こんなこともあるのですね。
混生はしないのかと勝手に思っていたので驚きました。この部分も切ってしまったので来年どうなるのかは
わからないので、そういう意味では残念です。
毎年見られますが、今年もガマズミに産み付けられたサンゴジュハムシの卵です。自分の糞で塗り固めて
卵を保護しています。今日で今年の調査は終わったので、また次の機会に紹介します。
10月30日 (金)
静岡にサツマシジミの写真を撮りに行こうと誘われ、ついフラフラと師匠やOBの方と出かけました。
早朝からのドライブでしたが、秋の自然観察、楽しかったです。
9月に熊本でも見つけた(まだアップしていません)ヨツモンカメノコハムシがいました。成虫越冬だから
いるのも当然ですが・・・たくさんの個体がいました。
このハムシの仲間は普通の撮影では顔がわかりませんが、下から写すと意外に大きな眼が印象的です。
幼虫も見られました。ごつい棘が生えていて上には脱皮殻を背負うという何とも厳つい風体ですが
もちろん毒とかは持っていません。
ヤマトシリアゲムシもまだ見られました。卵越冬なのかしら・・・
サトクダマキモドキがいました。今年はヤマクダマキモドキも撮影したので(まだアップしていません)、
両方見られて嬉しい年でございました。
クモヘリカメムシを久しぶりに見たので撮影しました。複眼の上の背単眼が赤く光っています。
アキアカネがとまっていました。他のトンボなどに気がつくと離れるので、そこにピントを合わせ戻ってくる
ところの撮影を試みましたが、なかなか難しい・・・
この1枚は飛行しているところを撮ることが出来ました!
場所を変えてお茶畑に来たのですが、そこに1匹だけいました!サツマシジミです。確かに裏は真っ白ですね!
太陽の光を受けると表の模様が浮かび上がりました!飛んでいるときはややブルーがかりそれも美しい。
見られて感謝です。
近づくとすぐに逃げるので、翅も開いてくれず(なかなか開かないそうですが・・・)あまり良い写真は
撮れませんでしたが、初めて見るチョウに感動しました。
お茶の花にはアカタテハが来ていました。こちらは翅も開いて写真写りが良いです。
少し離れた所ではアサギマダラもいました。もうだいぶ痛んだ個体でした。
もうすっかり大きくなったダイミョウセセリの幼虫。幼虫越冬のようですね。住処を開けてごめんね。
昨年カバマダラが発生した場所があるというので行ってみましたが・・・
ウラナミシジミはたくさんいましたが、残念ながら発生している感じではなく・・・でも行ってみるだけでも
楽しいものです。
成熟したミヤマアカネがいました。千葉では見られないトンボなのでついつい撮影してしまいます。
10月 29日 (木)
更新ままならず・・・写真もさすがにそう撮っていませんが、どうも時間が無くて・・・すいません。
学内にタケノクロホソバがいるようなので、その場所に行ってみました。
薄暗い林床なのでどうも夜っぽくなるため、背景に明るい部分をを入れてみました。もう終齢幼虫の
ようで、先日の撮影より大きくなっていました。この毛には毒があるので注意が必要です。
いるところにはたくさん群がっていました。毒があると知らないと痛い思いをするかもですね。
これから注意しないと・・・
ふと見ると、一匹の脇にハチのまゆが・・・この個体はどうも寄生されたようです。このコマユバチは
まさに益虫と言えるのかもしれませんね(笑)
10月 18日 (日)
今日は農薬の試験があり、大学に行きました。協力してくれた皆さん有り難う。
カウント中に「ハエが毛虫を襲っています!」という声が上がったので、撮影しました!
このように、地上を這い回るヒトリガらしき幼虫に寄生バエが近づいています。
何度か幼虫の上に乗っていたので、産卵もできたようです。しばらくすると満足したのか離れました。
幼虫の体にはいくつかの卵らしきものが見えます。こんな瞬間に立ち会えてラッキーでした。ハエの種名は
専門家に聞いてみたところ、形態的に典型的なヤドリバエだそうで、似た種類が多いので写真だけでは
種名までは無理なようです。Goniinae亜科のEryciini族のDrino属?のハエのようです。ヒトリヤドリバエとか
そういうものに近縁なのかもしれません。
以前、子供向けの害虫図鑑を監修しましたが、写真はないものも多く苦労しました。
タケノクロホソバも自前の写真がなかったのですが、今年見つけたので撮影します。長い毛には毒が
含まれているそうなので、注意してください。飼育して終齢幼虫も紹介しますね。