2004年 昆虫観察 戸定の昆虫
2004年4月から (詳しい日付がなくてすいません)
春の昆虫をいろいろ観察しました。学内の春の昆虫たちをいろいろ紹介してみましょう。
今年もツマキチョウの写真を撮りました。今年は雄雌を撮ることが出来てうれしい限りです。
ツマキチョウのオス(左)とメス(右)
春先にしか成虫が現れないこのチョウには毎年感心が向けられます。今年も学生実験で大々的に
紹介してしまいました。
ベニシジミ と ルリシジミ
この2種のチョウも春先から見られますので、毎年写真が増えていく気がします。ルリシジミは表が
きれいなので、今度は表からの写真を掲載したいものです。アゲハの仲間もきちんと撮りたいですねぇ。
スジグロシロチョウを見つけました。オスはレモンの香りがします。これは臭いの出る発香鱗という
鱗粉を持っているからですが、本当にそんな臭いがします。是非捕まえてみてください。
甲虫の仲間も撮りました。これもおなじみですが・・・(笑)
ヘリグロテントウノミハムシ と ナミテントウ
キンモクセイの新芽をかじるヘリグロテントウノミハムシを見つけました。毎年出現して研究
材料にもなった虫ですが、学生に見せるとテントウムシと思うようです。飛び跳ねて逃げるので、
それに大きさも違うので、比べればわかりますが・・・。
ナミテントウは今回は典型的な2紋型です。いろいろな模様を撮っていくことにします。
学内にハコベホオズキが群落を成しているので、オオニジュウヤホシテントウも多く見られます。
春先はメスを巡る争いも活発化しているのかこんなに凄い状況も見られました。1メスに3匹のオス
がマウントしていました。
アリとアリジゴクの写真も撮ってみました。
クロヤマアリ
ウスバカゲロウ(種名不明)の幼虫(アリジゴク)
クロヤマアリの巣があちこちに見られます。もう少しするとサムライアリの奴隷狩りも見られるので、
それを写真とか動画に残したいと思っています。
学生が掘り出したウスバカゲロウの幼虫を捕ってみました。結構大きくてすぐに蛹になりそうです。
今年はクビキリギスの写真を撮りました。
クビキリギス 緑色型(上)と 褐色型(下)
桜の花が終わって少し経ったときから夜になると、「ジーーーーー」という声が聞こえてきませんか?
街灯の近くとかから聞こえてきて近づいてみると結構大きい声です。でも姿はよくわからなかったりします。
"ケラ"とか"ミミズ"とか言われますが、違います。
クビキリギスというキリギリスの仲間です。
大きさは6センチぐらい。今いる成虫は秋に成虫になって越冬した個体。今鳴いているのは恋の季節だから
です。越冬してこの時期に交尾産卵して幼虫が夏の間に大きくなって秋に成虫になるという生活史です。秋に
成虫になってすぐ卵を産まないのには・・・
・他の近縁種と棲み分け
・この時期だとカマキリなどの天敵もまだ小さいから食べられにくい
・夜鳴いていても危険が少ない?
など、いろいろ考えられます。越冬してでもこの時期に繁殖するのには彼らにとって有利な点が多かった
からだと思いますが、これについてははっきりとは調べられていません。
クビキリギスという名前は「首切螽斯」と書き、螽斯はキリギリスの意味ですから首が切れるキリギリス
という意味になります。何でこんな名前なんでしょう?昔の遊びでこの虫を手拭いとかに噛みつかせ、この
手拭いを強く引っ張ると食い込んだ大顎が布からはずれなくなって虫の首が取れてしまうそうです。それで
この名前となりました。今は誰もこんな遊びやっていなさそうですが・・・。
そんなことがわかるとこの虫の口は真っ赤でなかなか迫力があります。他の虫を食べているから口が血で
染まっている!といった人がいますが、確かにキリギリスの仲間は肉食が多いです。でもこの虫は草しか
食べないようです。また、昆虫の血液はヘモシアニンなので、赤ではなく、緑色っぽい色をしています。
だから血の色ではないんです。じゃあ何を食べているから赤いんだろう・・・?関西では「生姜食い」という
そうで、生姜の食い過ぎで口が赤くなったとみるようです。センスがいいですねぇ(笑)。
クビキリギスの口器部分
緑と褐色のタイプについては環境とか遺伝的に決まっていると思いますが、詳細は不明です。
ケラはもう少したつと鳴くようですが、姿だけは見かけましたので写真撮りました。
ケラ
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