2003 戸定の昆虫
今年度も更新が遅く、いつまでも昨年の冬の風景をお見せして失礼いたしました。
いつも忙しい!忙しい!と言っていても心に余裕は持ちたいものです。
もう少し学内も出かけてみたいと思ってはいますが・・・
2003年11月
研究室の圃場の白菜を見に行ったらアシナガバチ(セグロアシナガバチ?)がモンシロチョウの幼虫(アオムシ)
を捕らえて肉団子にしていました。こうして作った肉団子を巣に持って帰り、幼虫の餌にしています。もう巣も解散に
近い中、一生懸命のようでした。その脇でモンシロチョウ達が求愛の追いかけっこをしていました。
アオムシを肉団子にするセグロアシナガバチ モンシロチョウの後追い飛翔
2003年8月22日(金)
大学院入試も終わり、ホッとしている(?)人たちとセミの羽化の観察に出かけました。
意外にセミの羽化を見た人は少ないようで、みんな初めてでした。
下調べ無しに出かけたので見つかるかどうか不安でしたが、
アブラゼミ1個体が見つかり体面を保つことができました(笑)。
脚が抜けて、そこから起き上がって翅を伸ばす場面にみんな感動していました。
今度はツクツクボウシの羽化観察をしようかな。
翅を伸ばしているアブラゼミ
(左)と激しく鳴いている個体(右)
蚊に刺されながらもセミの羽化を観察できて喜んでいる人たち
2003年8月14日(木)
学内を歩いてみるといろいろな昆虫に出会うことができます。
今の時期、ムラサキシジミが本当にたくさんいます。翅を開くと鮮やかな紫色がきれいです。
このムラサキシジミ、少し前は少ないチョウだったのに・・・
今はムラサキツバメが分布拡大しているそうで、ここ園芸でも確認されています。
サクラの幹についていたナナフシモドキ?は、脚が1本取れているものの
じっと動かず幹に溶け込もうとしていました。
2003年1月22日(水)
冬の構内を研究室の3年生と歩いてきました。今年の冬はまじめな冬ですが、所々に春の準備も感じました。
地面を掘ったり朽ち木を崩したり・・・いろいろな生物に出会えましたが、そのいくつかを紹介しましょう。
ナミテントウの集団越冬
旧環緑棟のD棟には11月中旬からナミテントウが越冬のために集まってきます。寒くなるとどこかに消えて
しまいますが、階段の隅に集まったり、物陰に隠れたりして越冬しているようです。もっと良い場所があるのにと
思いますが、黄色や白などの色に誘引されるという研究もあるので、集まってきたものの仕方なくそこにいるよう
な感じを受けました。写真の彼らは植木鉢の下にいました。
ハラビロカマキリの卵嚢
カマキリの仲間はいわば泡が固まったような断熱材に覆われて冬を過ごします。これは樹上性のハラビロ
カマキリの卵嚢です。来春、この中からたくさんの幼虫達が孵化してきます。
カタツムリ(左)とムカデの越冬
地面で越冬している生物です。最近は大きな殻のカタツムリを見ないなぁ、と思っていたのですが、生け垣の
根元の落ち葉の下に集団で越冬していました。種名はまだ不明ですが、いつか調べます。「見ない」のではなく、
「よく見ていない」のだなと思います。観察をちゃんとしないといけませんね。忙しいと言って出歩かない自分
を戒めたりします。
ムカデは普段じっくり見ることがなかったので近づいてみると結構かっこいいと思ってしまいました。でも
噛まれると痛いし毒もあるので注意。
コクワガタ(左)とカミキリムシの幼虫
今度は朽ち木となった切り株を崩してみました。かなりいろいろな生き物がいて感動しました。コガタスズメ
の女王バチも数匹潜り込んでいました。カミキリムシの幼虫は種は不明です。
驚いたのは一緒に行ったほとんどの学生達が(一人を除いて)「野生のクワガタをはじめてみた」と言って
いたことです。子供のころに昆虫に接する機会はそれこそペットショップでしかないのでしょうか?こういう
昆虫達の生き様を教えるのも教育の一環ですから今後も学内観察を頻繁にしないと・・・。
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