戸定の昆虫 2007-2 (4〜6月)


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 3月は更新が疎かでしたから、新年度には頑張りたいですが・・・。


2007年4月2日 

 まずは更新しないと!ということで外を見ましたが、もうミノウスバがいました!
被害のマサキの芽と裏にてんこ盛りになっている幼虫です。授業で教えるときにも
まだいてくれるかと心配になる程早いですね。
  

 ヒラタアブばっかり撮っていたのでそれより大きなアブで喜びました(笑)。ハナアブのようですね。
  
 という状況ですが、更新頑張りますね。

2007年4月10日 

 やはり今年はいろいろ昆虫の出現も早いようです。このところ毎年恒例のオナガバチは出ていました。
しかしこれまで見られた樹は枯れていてさらに1本の幹は固いキノコに覆われ、成育環境は悪いよう
でした。その隣に生えている樹(生きている)で産卵活動をしています。今年はあまり見られない
のかもしれません。


 産卵するメスは1個体だけでした。まだこれから出てくると思いますが…オスはカメラを向けると
逃げてしまいます。今日はこの1個体のみ。今年もまた活動を追ってみます。

2007年4月13日 

 少し圃場を歩いてみました。寒い日もあったり暖かくなったりですが、暖かいといろいろな昆虫が
見られます。まとまった時間はとれないからいくつか紹介するだけですが…

    
 オナガバチはまだオスが目立ちます。この日はメスはいませんでした。羽化してくるメスがいる
場所があるのか、オスは盛んに触覚で探っています。そして決まった場所で妙に反応します。何かに
反応しているのは確かですね…

          
 昨年の研究で使ったケールが放置されていて花が咲きました。しかしその花にはアブラムシが
ビッチリくっついています。今年はこのせいで新たに植えたキャベツにもアブラムシが付いてし
まっています。近いうちに処分しないと…

   
 定番の?昆虫もいます。ベニシジミとナナホシテントウです。ベニシジミはこの1枚のみでしたが
ナナホシテントウは静止してくれていたのでいろいろ撮影することができました。

        
 今年もサンゴジュにクロスジカギバ?の幼虫が付いていました。もう少しいろいろな蛾の幼虫の
写真も撮りたいものですね…

2007年4月20日 

 3月4月と寒い日も多いから先に出てきた虫たちもむしろ凍え死んでいるのかと心配になる日も
ありますね…寒くて雨がちだから学生実験で外にも行けません。更新も途絶えがちです…
 一緒に歩いていた学生さんがだいぶ咲き始めたツツジの植え込みの中にナガサキアゲハを見つけ
ました。昨年は一番多いアゲハになっていた感じのこのナガサキアゲハですが、写真を撮っていな
かったのでとても良かったです。記念すべき今年の目撃1個体目です。午後は暖かくなりましたが、
この時間はまだひんやりしていたので飛べないところを撮れました。メスです。

2007年4月26日 

 ようやく晴れました。暖かくもなったので少しの時間を利用して圃場に出てみました。すると
やはりいろいろな昆虫たちが活動していました。
 
       
 スジグロシロチョウが吸蜜しています。この他にもモンシロチョウやアゲハチョウも見られました。
あとはツマキチョウもいたのですが、花にとまってくれませんでした(涙)。

 
 タンポポが多く咲いています。いろいろな昆虫が蜜を求めてやってきています。ニホンミツバチです。
どこかの樹のうろに巣があるのかな?潜り込んで花粉まみれにもなっています。
       
 ヤブキリも花にいます。花粉を食べているという記述もありますが、私はアザミウマとか食べている
気もしますが…一度調べてみないと…

   
 ようやくクマバチが占有行動を取り始めました。あちこちにみられます。ホバリングしているので
カメラを向けたらやや遠いもののそれなりにピントが合ったので嬉しくなりました。望遠レンズが
ほしくなる(笑)

 
 キンモクセイの葉にナミテントウがいました。ナミテントウは樹上でみられることが多いですね。
ナナホシは草本にいることが多いです。右はシロホシテントウです。初めて写真撮れました!この
テントウムシはキイロテントウと同様うどん粉病菌を摂食しています。

          
 またまたヒラタアブです(笑)今年もホバリング写真を撮ってしまうことでしょう。これから晴れが
多いみたいだからもう少しいろいろな昆虫の紹介ができるといいな。

2007年4月27日 

 晴れてもすぐに曇ったり雨が降るような日が続きますね。天気予報が当てにならず困ります(笑)
今日は園芸以外に出て昆虫観察しました。晴れている時はいいのですが、寒いからチョウは少なかっ
た(涙)。いくつか紹介しましょうね。まずは我孫子の観察地です。

       
 ヒゲナガガがいました!調べてみるとホソオビヒゲナガガの様です。オスはこんなに長い触角をしていて
びっくりですね。メスはもう少し短いです。これだけ長くするメリットがあるのかしら…フェロモン受容と
かではなく違った意味合いがあるような印象を受けました。ディスプレイとかね…

       
 スダジイ?の葉を食べています。とても特徴的は食べ方ですよね?サシゲチビタマムシという種のよう
です。近縁種もいるから断定できませんが…戸定にもいるから今度観察してみます。

 
 昨年も戸定で見つけたアカガネサルハムシです。今回もブドウの仲間ではないホトケノザについています。
あと甲虫ではナナホシテントウがいい感じだったので今回も載せてしまいました。
 
 交尾している昆虫の写真です。左はハチにも見えるけどハエっぽい雰囲気…種名は分からないけど
調べても分からないかな…チャレンジはしてみます。

 
 ガガンボも何種かいました。これも種名は分からないかも(笑)時間があればなんですが…左の
か弱い感じと右のような比較的がっしりした感じの種がいるんですね。

 
 日光浴するムラサキシジミ。この種は成虫越冬するので、越冬明けの個体ですね。よく頑張りました!
右はややピンボケですいません。

       
 ツマキチョウもいたので撮影しました。でもこれは捕獲後に撮影したので自然ではないです。
ツマキチョウは蛹越冬です。今年はあまり見られずがっかりです。戸定でもほとんど見ませんでした。

 
 この種は特徴的なのであとで種名出しますね。

    
  これもあとで(笑)

  
 タケカレハの幼虫もいました。タケ以外にもススキやヨシにも着くそうです。
右はまた後日(笑)  

     
 最後は日光浴するベニシジミです。また来月暖かい日にいろいろ写真をお見せします。

2007年5月2日 

 いや〜言い訳ですが、もう6月になっています。写真は撮っていましたが更新をさぼって
いました・・・これ以上ため込むと更新が不可能になるので何とか気力を振り絞っています。
新年度はやはり忙しすぎますね…いろいろなことが起こります…

 
 今年はナナホシテントウの写真がしっかり撮れたので満足です。この日は交尾個体が多く、
撮影することが出来ました。
       
 このところはコアオハナムグリがヒメジオンに来ています。一心不乱に花をかじっています。
よく見ると細かい毛が翅に生えています。もう少し大きいハナムグリなどはこんな毛が生えて
いません。青(緑)ではないような個体も多くみられます。

2007年5月5日 

 また我孫子の某所に行きました。お目当てはジンガサハムシだったのですが・・・

           
 このイチモンジカメノコハムシは結構みられました。ムラサキシキブとかを食するのですが、ジンガサ
ハムシに似ている感じだから間違えました。あとで見るとジンガサの方が圧倒的に派手ですね(笑)

 
 この赤褐色のハムシはキイロクビナガハムシのようです。何で黄色?(笑)幼虫はヤマイモ等食べる
ようですが、これら成虫は全然関係ない植物上にいました。
             
 ナルコユリ?アマドコロ?の花に来たトラマルハナバチ?です。全部推定ばかりですいません(汗)。
マルハナバチの方は上からとか同定しやすい位置からなら大丈夫ですが…これではちょっとですね(汗)。
  
 ヤマトシリアゲがいました。ちょうど出始めなのか、何個体かいました。左がオスでその名のとおり
お尻が上がっています。右はメスでオスのようにお尻は上がらないもののそれでも少しは上がっていますね。
長い口吻状の口の先に咀嚼型の口器があるのでなんともユーモラスですね。

     
 ヒサカキの樹かな?ホタルガの幼虫がいました。自然界で見たのは初めてで嬉しい。
きれいな配色で見とれますが、そうは思わない人がほとんどかな(笑)

        
 カミキリムシに見えますが、ジョウカイボンです。成虫は花にも来るようですが、肉食性で
この子も何か翅をくわえているようでした。近づくとすぐ逃げるので正面の写真がなくて残念です。

          
 クビキリギスが休んでいます。今年は鳴くのが遅くなったので心配でしたが、5月以降はちゃんと
鳴いているようですね。
        
 最後はクロウリハムシの交尾です。至る所に見られてかわいい感じでもありますが、実はウリには
厄介な害虫ですから注意が必用ですね。

2007年5月7日 

 バラにチョウがとまっています。思わずカメラを取りに戻り無事撮影出来ました。

         
 ルリシジミのメスですね。春型は青い色も出ていますが、夏型は高温条件下で育つために
黒い色をしています。夏型を撮るというよりはオスを撮りたいですが・・・目標かな(笑)

2007年5月8日 

 小刻みですがこの日も2枚ばかし…

          
 ウズラカメムシは写真に撮りたい昆虫だったので見つけて嬉しかったです。この写真は
あとから植物につけたので次はちゃんとした生態写真を撮りたいです。イネ科雑草の穂に
いることが多いそうですから次はそんな写真を!

        
 トホシテントウもこれまで撮っていなかったので見つけて嬉しいです。食植性のテントウムシは
少ないからきちんと写真に残せて嬉しい限りです。

2007年5月16日 

 昨年でなかったチャドクガが今年は発生し一安心。なぜならこの虫は薬剤試験の材料だからです。

       
 まだ小さいもののあちこちにいるので今年はたくさん出る気がしましたが、その通りになりました。
            
 カメラを向けたらマウントしていた右の個体が降りてしまいました。ペアだったのかな?
クズの葉にいるのでシロコブゾウムシですね。

2007年5月26-27日 

 成城大学の実習に同行しました。伊勢原の大学の宿泊所付近の昆虫です。宿泊所はきれいで
私大は羨ましいですぅ・・・。

         
 ツマキシロナミシャクというシャクガの仲間です。小型ですが、とてもきれいな配色でした。
いろいろな蛾の写真も撮らなくてはと思います…
 
 花卉の害虫でいつも紹介しているものの実物は大学3年以降見ていなかったので是非出会いたい
と思っていた昆虫の一つに出会えました!キクスイカミキリです。小型のカミキリムシですが、右の
様にキク等の生長点をかじってしまうからこんなふうに垂れてしまいます。この写真はヨモギですが、
キクでこんなになったら大被害ですよね!これからは講義でこの写真を使えます(嬉しい)。

 
 カワトンボが用水路的な流れにいました。まだ全体に粉が吹いている感じで未成熟個体かしら?でもなわばり争い
していました。若いのになかなかしっかり者です。カワトンボは分類学的には難しいのでこの写真では同定出来ない
かもですが、ヒガシカワトンボなのかな…ハグロトンボの写真も撮ってみたいな…

              
 ハグロトンボを撮影した用水路的な流れには水田はもちろんありましたが、あとはジャガイモ畑でした。
ニジュウヤホシテントウかオオニジュウヤホシテントウかもわかっていないですが、エピラクナがいたので
カメラを向けてまさにシャッターを押したら飛び立ちました!でも見てみたら離陸の瞬間!ややピントはずれ
ていますが、これなら満足です!嬉しいな!もっと良い写真が撮れるようにしたいです。

               
 夜のシラカシを見に行ったところ小型のコガネムシが葉をかじっていました。うーむ・・・誰だろう?
ナガチャコガネにもみえるがどうも不明です。もう少し調べてみないとなあ…

       
 ヨコヅナサシガメが毛虫を食べていたり交尾していたりとあちこちに見られました。でもいる樹木はサクラ
とかに限られ、シラカシにはいませんでした。盛んに飛び回る個体もいたり羽アリを追い掛け回す個体もいたりで
結構アクティヴでした。

 
 山の中の林道的な場所にコジャノメがいました。少し近づくだけでも飛んでしまうので、なかなか撮れませんでした。
何とか写したのが上の写真です。一度だけ翅を開いてくれました。チョウを撮るには望遠レンズがほしいなと感じますね。

      
 シロテンハナムグリなのかな?(シラホシハナムグリもいるが…)コナラの枝に複数個体が飛んできていました。
写真を撮ろうとすると飛んで逃げたりするのですが、何とか撮影しました。左の個体は樹液を吸っているようですね。
右は飛び立つところでした。青空がきれいでした。

         
 5月27日はクロオオアリの結婚飛行が見られました。巣からぞろぞろ出てくる新女王アリとオスアリです。
あちこちの巣から出てきていて樹に上って飛び立ったり、地面から直接飛び立ったり特に女王は大きいから
飛び立つのが大変なようでした。

        
 木の枝には翅を落とした女王がいました。すぐ近くに翅が落ちています。無事交尾を終えて戻ってきたのだと
いいですね。こんなところで落とすとは思わなかったからびっくりです。近くの働きアリは襲ったりしなかった
ので同じ巣の一員っぽいです。でも自分の巣のすぐ近くに戻ってくるかなあ…謎の多い行動です。

        
 この何とも言えない顔のハチは?よくわかりません。もう少し調べてみます。老人のイメージがありますね。
興味深いです。
              
 サトキマダラヒカゲがとまっていたので写真撮りましたが、翅は痛んでいます(笑)。でも写真公開していない
種でもあるから残しておくことといたします。

2007年6月7日 

 というわけでようやく6月の紹介です。今回は害虫つながりかな。

      
         
 複数の人から門の近くのアマドコロに黒い虫が!という指摘を受けました。私も確認していたのですが写真は
撮っていなかったから撮影に向かいました。白いのは若齢で大きくなると真っ黒になるようで、こんな正反対の色に
変色するのはすごく興味深いです。調べてみたらヒゲナガクロハバチでした。今度は成虫の写真も撮ってみたいな。
詳しい人の話によると個体数は毎年増えているようです。そろそろ防除されてしまうかな…


 ある意味これは今年一番の出来です(笑)。手前のチャドクガに目を向けていて奥の個体群には気が
つきませんでした。モニター見てびっくり!手前は上からで奥は横からだから表と裏にびっしりなのが
よくわかります。このように今年はチャドクガの発生が多いです。皆さんも気をつけてくださいね。

2007年6月11日 
 
トップページにリンクされ、更新しないとまずいし、更新が順調でも「仕事していない」と言われそう
です(笑)でもHPの作成は基本的には夜間です。でも「戸定の昆虫見ています!」と言われるとそれで
更新しようという気になりますね…今日は事務の方にも言われて感激でした。というわけで頑張ります。

 というわけで今日は夕方から外に出て更新ネタを探しました。視力の良い4年生も同行してくれました。

     
 ナミテントウの交尾が見られました。ナミテントウの斑紋は黒地に赤い星が2つ(二紋)や4つ(4紋)
さらに多く(斑紋)という黒地系と赤地に紋がないものや(無紋)逆にたくさん黒い星があるもの(多紋)
など赤地系といったように様々見られます。ここでは多紋のメスに2紋のオスがペアを組んでいました。
今年は様々な斑紋をきちんと写真に残しておこうかなと思います。

    
 先日撮影したトホシテントウですが、今日は学生が見つけてくれました。取り込んだ写真を見ると
摂食行動がちゃんと写っていますからアップすることにしました。ウリ科の植物を摂食する昆虫たちは
この写真のようにまず自分の周りの葉にかみ傷を入れます。この子はきれいな半円状の切れ込みを
入れています。そしてしばらくしてからその内側を削り取るように食べています。このような行動を
トレンチング行動といい、葉に含まれる有害成分(味がまずいのかも)が蒸散する?摂食部分への
流入を防ぐ?ためのようです。ウリハムシとかウリキンウワバとかウリ科植物を摂食する昆虫たちは
このような行動を取っています。これは独立に進化したのでしょうけど、それぞれ開発するのも
おもしろいですよね。


 左のベニシジミは羽化したばかりの夏型のようです。縁毛まできれいに残っています。
右のヤマトクサカゲロウはすぐに見失う私の代わりに学生が見つけてくれました(笑)。
ありがたいことです…クサカゲロウはスギナに溶け込んでいてすぐに逃げてしまったので
良い写真ではないですが、記録的です。

    
 葉の上で休む?サビキコリかな?コメツキムシの仲間ですが、翅の表面が泥とかついているような
感じがします。数個体いたのでちょうど出現の時期のようですね。こんなふうに地味ですが、立派な
戸定の構成員たちにも今年はスポット当てなくては…

         
 ホソハリカメムシかな?ハリカメムシの仲間はこの他にもいくつかいるのではっきり同定しないと
ですが・・・すぐに飛んで逃げようとするので苦労しました。

2007年6月12日 
 
今年は更新に波があるような…頑張りますが…
今日は我孫子の方に行きました。


 今回の主役ジンガサハムシです。イチモンジカメノコハムシよりもはるかに派手な感じです。透明なところと
金色の感じがとっても素敵です。どうしてこんな色彩や形になるのか本当に不思議ですね。こんな派手なのに
葉裏にいて見つかるとすぐに飛んで逃げてしまうのも服装と裏腹に臆病な性格です。ヒルガオについています。

       
 そしてヒルガオの葉裏に産み付けられたジンガサハムシの卵鞘です。右2つはもう孵化しているみたい。
右の卵鞘の下には幼虫もいます。幼虫は自分の脱皮殻を背負う性質があるのでまた写真アップします。

       
 クズの葉上でコフキゾウムシが交尾しています。体表がやや青みがかった粉を吹いたようになっているから
この名が付いています。こうしてみるとオスメスのサイズに違いがあるのだなと思いました。

       
 散策路にミミズの死骸がありました。そこにやってきたアオオサムシです。自分の消化液を出して死骸を
かみ砕き溶けた死骸を摂食するという食事方法です。今はかみ砕いている感じです。アオオサムシなのに
赤っぽいですね。千葉県も房総半島南部ですとかなり赤い個体がいて「アカオサムシ」なんて呼ばれています
が、他の地域でも赤っぽい個体はいます。これはその中でも赤い方かな。ストロボに驚いてこのあと餌を
持って逃げてしまいました。

         
 茂みの奥にゾウムシがいました!なんともゾウムシっぽいし、渋いです。でももっと近づこうと
思ったら逃げました(涙)ハスジカツオゾウムシのようですが、似ているハスジゾウムシとの違いは
この写真では分からないです。

2007年6月13日 
 
これも戸定ではないですが、最寄り駅に面したマサキがすごいことになっていますからお見せします。

        
 マサキの葉を食べるユウマダラエダシャクの幼虫。生け垣によく使われるマサキですが、この虫が
発生しているところは限られるようでどこでもいるというわけではないようです。しかしここはすごく
毎年大発生します。これはまだ葉のある樹だからこの幼虫はまだ餌には困っていません。

        
 ところが発生量が多いので葉は食い尽くされてしまいます。そうなるとあちこち歩き出します。この子たちは
路頭に迷っています。後ろの枝には葉が全くついていないのがわかります。

       
 葉が無くなるとこんな状態になってしまいます。毎年こんなになっていてよく枯れないものだと
感心します。
       
 という分けで生け垣は坊主になり、幼虫は塀やら道やらに出てきてしまいます。通勤通学の人たちは
マサキがこんなになっていたり幼虫が歩き出ているのには全く気がつかないようですね。そんなもんなんで
しょうけど…この幼虫は真っ黒で毒々しいのですが、毒はないです。でも鳥が食べたりしないところを
みると味は美味しくないのかな…

2007年6月14日 
 
駐車場から大学に向かうところで2種の昆虫の写真を撮りました。

   
 小さいアリが集団で行列を作っています。その数は本当にすごいものがあります。列も10メートル以上!
先日の我孫子でも見つけたのですが、いったい何をしているのかな・・・引っ越しという感じではない
ようですが・・・調べてみます・・・種もまだ調べていないし・・・

      
 イヌツゲの木からシャクガの幼虫がツツツーっと地面に降りてきました。そして下のアスファルトから
今度は糸をたぐり寄せて上っています。脚にはたぐり寄せた糸が玉になっているようです。これはいったい
何のためにしているのかな?何かに驚いて降りてきたようにも見えますが・・・運動だったりして(笑)
ちょっと時間がないからこの種の同定はまたあとで・・・連日更新しましたが、ではまた来週。

2007年6月20日 
 
梅雨入りとなっても全然雨が降らない事態ですね…今年の夏の水不足が心配です。既にミドリシジミが
多数出ているという報告を受けたのですが、時間の関係でどうしても行けません(涙)何とかしたいものです。
 更新もしなくてはと思い、夕方学内に出ました。

       
 前回は翅が開いていましたが、閉じて寝る準備という感じのルリシジミです。これもメスみたいでした。
今度はオスの写真を撮りたいものです。

          
 うどん粉病やらいろいろ出ているマサキの樹にユウマダラエダシャクの幼虫がいました。こちらは
少発生なのでのんびりと過ごしている感じです。

     
 ほ場へ行く途中の道路にはこの時期多くのオオヒラタシデムシが見られます。交尾個体も観察でき
ましたから撮ってみました。でもストロボの光に驚いて離れてしまいました。

 最後はクモですけど…(これを出し忘れていました…)
     
 日の光を浴びて金色に輝くハエトリグモを見つけたのですが、ストロボを当ててみると別に
大して光りません…二灯の光だと反射が抑えられるのかもしれませんね。

2007年6月25日 
 
夕方に明日の授業で使うテントウムシを採りに出かけたのですが、ついでにカメラも持参した
ところ、おなじみの昆虫や初めて撮影出来たものなど収穫がありました。

    

 ハコベホオズキにはたくさんのオオニジュウヤホシテントウが群がっています。いつもの年より
かなり多いという印象です。幼虫も含めていろいろな写真をアップしてみますね。

          
 毎年学生からの人気が高いキイロテントウです。うどん粉病菌を食べていますが、学内では
ここに行けば必ずいるという場所があるので確実に採集出来るようになりました。良かった(笑)

            
 放置されたような野菜がある区画にはいろいろな昆虫がやってきています。アブラナ科野菜の
収穫により学内ではあまり見られなくなったナガメもここではたくさんいて良かった(笑)
      
 近くの雑草に群がるナガメの幼虫。もっとかたまっていたのに人の気配で逃げてしまいました。

          
 クズの葉がかなりコフキゾウムシにやられていました。カメラを向けるとみんな逃げ出して
しまい…あまり良い写真にはなりませんでした。
       
 黄色い翅のハエがいたので、1枚だけ写真に撮ってよく確認もしなかったのですが、パソコン上で
見てみたら交尾個体でした…横から撮影するとかいろいろ出来たのに残念でした…ハエの種名は
難しいかも…特徴的だからあとで調べてみます。という宿題をやる暇がないのですが…すいません…

    
 今回同行してくれた視力の良い学生さんが見つけてくれました。ニワハンミョウかしらと思った
のですが、大きさや斑紋からトウキョウヒメハンミョウじゃないかと思います。ハコベホオズキの
葉の上でずっとポーズを取ってくれておまけにストロボの光でこちらを向いてくれました。

    
 こんな写真が撮りたかったのでこれもかなり満足な構図です!ハンミョウ(ナミハンミョウ)よりは
地味ですが、それでもところどころに見られる渋い金属光沢がいい味出しています。幼虫なども探して
みようと思います。

2007年6月27日 
 
6月の最後は戸定ではない場所での写真です。まずは我孫子のミドリシジミを撮りに行きました。
でも「今たくさん飛んでいる」と連絡をいただいてからずいぶん経っているので心配でしたが・・・
その不安は現実のものに(涙)薄曇りでしたがこの1頭しか見られませんでした…来年は中旬に行くぞ!

    
 しかもこの1枚を撮ったら飛んでしまい消えました…うーむ…来年こそ全面ピカピカを…
と思うのでした…構造色だから光の具合でこんなになってしまうこともあるんですね…まだ
まだ勉強ですう・・・

     
 カレハガの成虫がぶら下がっていました。春先に幼虫を見つけたタケカレハですね。立派に
成虫になって嬉しい限りです。こうしてみると幼虫は毛虫で成虫はこんなずんぐり粉っぽい感じで
まさに世間の人が蛾に対して抱くイメージはカレハガの仲間なのかなと思いました。
 右側の蛾はおかしな格好をしていますね(笑)留まり方などからコウモリガの1種だと思いま
したが、該当種がいません(笑)出現時期が違うしなあ…図鑑でじっくり調べてみないと…

         
 湿地脇のやや暗い道端にハグロトンボがいました。こんな場所にと思うようなところです。
少し近づいただけでも逃げてしまうので、前回行った時は写真に残せませんでしたが今回は
やや離れているもののこうして記録に残すことが出来ました。


 トンボつながりでこの他に撮影した2種です。左はオオシオカラトンボですね。トンボを呼ぶ
ために作ったのか小さな池のような場所にいました。後翅付け根に黒い斑紋が見られます。右は
今はどんどん羽化しているノシメトンボです。小学校のプールにいたヤゴもほとんどこれでした。


 今度はコウチュウつながりです。左は赤褐色の体色からオオコフキコガネのようです。触角が小さい
のでメスですね。せわしなく動いていました。右はマメコガネです。いる時は大量に見られます。

           
 肉食性のハエ、特にアブラムシを食べているとなるとショクガタマバエの仲間かなと思ってしまい
ますけど詳しくはまだわかりません。でも調べる時間もないしなあ…


 この部分だけは学内です。夕方にアオバハゴロモの寄生状況を調べに圃場に出かけたのですが、道路を
集団で移動しているアリを見つけました。「おお!サムライアリに違いない!」と同行した院生に追跡を
お願いし大急ぎでカメラを取りに戻りました。
 現場に戻ってきてもまだ大して移動していません。何だか迷っているようです(笑)。もうずいぶん前に
学内で見かけた時はすぐにクロヤマアリの巣に入り、蛹を略奪したイメージがあるのでうろうろ少しずつ
移動して行く集団に違和感?を覚えました。
 しかし先行隊が道しるべフェロモンを見つけたのかまた集団は方向性を持って移動し始めました。

    
             方向性を持って一丸となって進むサムライアリ

 こちらもクロヤマアリの巣を探しましたが、巣穴が見つかりません。どこだどこだ?とあちこち
見ていたらなんともう繭を持っている個体が!?近くの草をどけるとありました。

       
 こんなふうにクロヤマアリの巣穴から繭や蛹を加えてサムライアリが出てきます。でもすごい勢いで
出てくるというよりはだらだらと出てきています。これも以前見た状況とは違います…上の写真では
下の2匹は繭をくわえていて、草の影になっていますが左で繭をくわえている個体の上にいる1匹は
蛹をくわえています(蛹の複眼が黒くなっています)。

    
 帰りは迷うことなく迅速に自分たちの巣に戻って行きます。でも「アリの引っ越し」と間違えて
しまうような列を成して蛹を持っている状態ではなく上の写真のように個体間の距離は離れています。
サムライアリはこうやってクロヤマアリの蛹を持ち帰り成虫となったクロヤマアリはサムライアリの
ために奴隷としていろいろな世話をすることになるのです…かわいそう?でも誘拐されたクロヤマアリは
ここが自分の巣だと思っているのでそんなに悲劇的ではないかな…しかしずーっと長い間こうして
サムライアリの奴隷狩りが行われていてクロヤマアリはやられっぱなしというのが続いているというのは
おもしろいですね。クロヤマアリ側で対抗するようなことがないのはこの奴隷狩りによって個体群が
滅びてしまうほどの圧力ではないのでしょうね…

       
 サムライアリの巣はクロヤマアリの巣と直線距離にして10メーターぐらいでした。蛹をくわえて
巣に戻ってきたサムライアリです。繭を壊して蛹を取り出している個体もみられました。クロヤマアリの
繭は丈夫で自分で破くことは出来ないから他個体が壊してあげるんです。これも1個体では生きていけない
社会性昆虫のすごいところです。

       
 巣に戻ってきてもすぐに巣内に捕まえてきた奴隷を連れ込むようにはみえず周辺をうろうろしているのが
多い気がしました…中にはこうして成虫になったばかりの個体を略奪し、引っ張ってきた個体もいます。
この個体も巣には入ろうとしません…自分と同じ匂いになるまで?巣に受け入れてもらうには少し時間が
かかるのかもしれませんね。
 また機会があればもっと迫力ある写真を撮りたいものです。


2007年6月29日 

 第12回農林害虫防除研究会が福島でありましたが、それに参加してきました。採集などを行って帰る
予定が悪天候により直帰することに…常磐道の中郷サービスエリアでは雨が止んでいて草むらでいろいろな
写真を撮ることが出来ました(笑)。


 まずはカマキリモドキです!こんな形態ですが、カマキリの仲間ではなく、アミメカゲロウ目です。
つまりクサカゲロウやウスバカゲロウに近いわけです。静止時のカマのたたみ方がカマキリとはちょっと
異なりますが、右のように振り回せばカマキリと同じですね。うーん・・・収斂進化の素晴らしさです…
写真で見る限りではカマキリモドキという種みたいなようです。

            
 カマキリモドキも夜のうちに灯に誘われて飛んできた感じですがこのオオゾウムシも建物の側の
サクラについていました。灯火に誘われてきたのだと思いましたが、幼虫はサクラにもつくそうで…
そうなると発生しているという可能性もゼロではないが…幼虫はこれらの樹に坑道を掘るので、害虫
ということになりますね。

  
 コウチュウつながりで今度はセマダラコガネです。先日みた個体と同じような配色が左で、右は
背面の模様がほとんど確認出来ない黒化個体です。体色の変異はかなり大きいようです。各地の
比率や遺伝とか興味があります。分布が広いし明らかにするのは大変かもですが・・・(笑)

  
 イヌタデみたいな植物に群生するマメコガネ。この個体群はほとんどがペアになっていて
独り者はほとんどいませんでした。いるところにはたくさんいますね。アメリカでは大害虫
なのもわかる気もします。新天地ではすごく増えそうです。

     
 ヒメカメノコテントウかな?セイタカアワダチソウに寄生するセイタカアワダチソウアブラムシを
捕食しています。右は幼虫だと思いますが、餌を探して動き回っていました。

     
 園芸学部内でもたくさんみられるヘリグロテントウノミハムシですが、ここのサービスエリアでは
ヒイラギモクセイの生け垣が褐色に見えるほどでございました…幼虫が潜葉してその後が汚くなって
しまいます。今はちょうど新成虫が出てきたところでたくさん発生していました。

  
 ヤマトシジミもちょうど新成虫が出てきたところのようで多くの個体がみられました。その中で
1ペアだけ交尾個体がみられました。翅の表がちゃんと写るような写真でないとですね…

    
 6月最後はこの蛾です。マダラガ科のヤホシホソマダラという種でした。クシ状の触角が
発達していますね(オス個体です)。イネ科に寄生するそうです。


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